音楽のお小言
第201回2月14日(火)
介在できない無力な私にとって「ただ見守る」というのがいかに難しいか、あなたにはわからないのだ。
うへぇ、2ヶ月以上ぶり・・・。
最近、もう何度も書いてる気がするが、全然CDを買ってない。
アニメやゲームなどの作品はオススメしてもらってるのを買ったりしているけど(感謝です)。
今度久しぶりにちゃんとしたCD屋へ行くので色々調べてみたんだが、驚くほど興味を引く作品が少なくて、ちょっとヘコんだ。
「絶対買う」のが1枚だけ。「多分買う」も1枚だけ。
あとは現地で何か掘り出し物があればいいなぁ、と今から期待しているんだけど。
というわけで最近はお気に入りのCDを繰り返し聴き続けている。なので更新が遅いというか無いのです。ああ申し訳ない。
ちょっと遅すぎるというか超絶今更感満載だが、「COLLECTIVE」(I’ve)を。
リアルで周りに「I’ve」を聴くって人がいない。
まあネットで懇意にしてる方々とでもあんまり「I’ve」の話はしないけども。
ことここ2〜3年?エロゲから一気にドロップ・アウトした牧場主は最近の「I’ve」がどうなのかがわからない。
もちろんアルバムが出るとなると話は別で、この「COLLECTIVE」も発売は平日だったと思うがその日に買って、以降ずっと聴き続けていた。
1st「regret」、2ndが2枚組みの「verge」、3rd「Disintegration」、4thと5thが同時発売だった「LAMENT」、「OUTFLOW」。
そして6枚目となる今回。タイプ的には「Dis〜」、あるいは「verge」の2枚目に近い、かな。
「I’ve」のどこが素晴らしいかと問われれば、まずその「プロフェッショナルな姿勢」と答えたい。
そのほとんどがエロゲの主題歌、つまりメーカーが異なる「発注」がそのほとんどで発生する。「こういうのを作れ」という前提があるのだ。
手がけるゲームに分別は無く、ドロドロにエロい作品からポップでキュートな作品まで多岐に渡る。
となれば自ずと作り手側が求める音楽の世界観も180度異なるし、それらをこなすには根底としてのクオリティが無ければお話にならない。
今回の14曲中、オリジナル楽曲は1曲のみ。
それ以外はすべて何かの主題歌であり、今も変わらぬ姿勢を保ち続けている。
音楽は基本的にメロディ・ラインのわかりやすい、デジタル・ロックやポップ。その敷居は音の深さに比べて低い。
以前某音楽雑誌で某アーティストが「ポップでなければ音楽ではない。商品である以上独り善がりの音楽など産業廃棄物に等しい」と断じたことがあった。
彼らも、そんなことを思うところがあるのかもしれない。
「I’ve」の楽曲部分を構成するのは主に4名。
高瀬一矢、中沢伴行、「fish tone」こと中坪敦彦、「C.G.mix」だ。
彼らのどれでもいいからこれら6枚の純粋な「I’ve」作品以外の作品をぜひとも聴いて欲しいと思う。
いかにこれら6枚の作品群が「求められたものを忠実に、そしてクオリティを損なわず」製作されているかがわかると思う。
楽曲の、そしてアルバム通しての魅力はもちろんだが、
こういった「プロフェッショナルであること」に対して、牧場主は大きな魅力を感じるのだ。
湯水のごとく消費されるのに淘汰もされないJ−POPS界だが(それを悪いとはいわないが)、ここにある種の救いすら感じる。
なんか「COLLECTIVE」ではなく「I’ve」について書いちゃったな。
このアルバムでもほとんどが好きな曲になるが、
その中でも1つというならおそらく「IMMORAL」(川田まみ)と答えるかな。
発売直後に確か「eclipse」(同)と書いてた気がするけど、延々と聴いてるうちに趣向が少し変わったようだ。
そう、実はこのアルバムで川田まみが好きなのかな〜と気付く。
前までそれほど印象に残らない人だったんだけど、よく考えてみると結構好きな歌を歌ってる。
「MIXED UP」(I’ve)に収録されている「同じ空の下で」(川田まみ)とかかなり好きだし。まああれはアレンジが上手いんだけど。
川田まみは3月に1stアルバムを出すそうなので、これは買いたいと思う。
まあ「I’ve」プロデュースだし、「KOTOKO」と同じくボーカリストが誰であれそれだけで買うんだけど。
特徴のある節回しをする人で、その歌い方を魅力的と感じるか「あざとい」と感じるかで評価は二分しそう。牧場主は個性的でいいと思う。
純粋にこの人が歌が上手いかどうかはよくわからない。
もちろん吐き捨てるほどヘタではないが、「I’ve」外で作品出ても買うかどうかが美妙。
「KOTOKO」の場合はちゃんと作曲を含めて音楽を勉強してた人なので(確か)、わりと楽曲目当てで買うかもしれないけど。
川田まみというより、実は中沢さん楽曲が好きなのかもしれない。
そういえば「僕らが見守る未来」(詩月カオリ)とかすごく好きだ。良い意味で型に嵌めた音作りをする人。
「C.G.mix」ほどポップに寄らないけど、中坪さんほどわかりにくい音作りでもない。なんというか、律儀というかA型っぽいんだよね、中沢さんの楽曲(?)。
そういえば。
「Treating 2U」(堤伊之助)、原曲の方ね。
元は「Treating 2U」というゲームのED曲で、クレジットは主人公の「堤伊之助」。
これが出た頃に「歌ってるのは高瀬一矢」と実しやかに噂されたみたいだが、牧場主は半信半疑だった。ゲームの方は声ナシね。
半信半疑というか、そういうのは確固たる情報が無ければ信じない。
でもね。
普通に認めてらっしゃったよ。見つけた、情報源。
今後もう2度と歌うことはないんだろうなぁ。上手いのに。
今では「Vent Azure」という某エロゲ・メーカーのコンピCDでしか聴けないのかな?
どのみちオークションかリアル繋がりで無いと入手は無理だと思うけど。牧場主は探せばどこかにある。探せば。探せば。
いいんだ。そのうち見つかるし、ちゃんとCD−Rに保存してあるし。
そういえばここ数年見た覚えが無いけど・・・。
=======
第202回3月13日(月)
過去だ未来だって言ってるやつにロクな人間はいない。本人がそう言うんだ、間違いない。
うむ、1ヶ月ぶりか。
ブリもタイもシーラカンスもあるかヽ(`Д´)ノ
って本当に1ヶ月経つのか?この日付間違ってない?
本人としては1ヶ月どころか「1週間経ったかな〜」程度なんだが(死期?)。
しかも前回書いてるのが「COLLECTIVE」(I’ve)だしなぁ。あれ、確か去年の秋の発売じゃなかったか?
話は変わるが最近の音事情。
CDの整理をはじめました(≧▽≦)
・・・。
2ヶ月くらい前から(ダメ)。
作戦名「1日5%でも片付けていれば20日後にはまあ、キレさっぱり!」
うん、100%どころか−20%くらいになってるのはなんでだろう?
でもまあ、収穫というか再発見も色々と。
「BLUE −COWBOY BEBUP O.S.T.3−」(菅野よう子)
「fish tone」(fish tone)
「KING JOE」(同)
「私は羊」(ZABADAK)
「桜」(同)
「Ozone」(島宮えい子)
「Dream」、「Rise」、「Love」、「Grace」(Dream Sound Factory)
などなど。
改めて聴き直したのが他にも何枚もあって、また書きたいと思う。
ただ、やっぱり「Love」と「Rise」の2枚は別格だわ。マキシだけど、いつ聴いても「すごい」としか言えない。
「テクノは美しい」というのを彼らの音楽だけで説得させる自信がある。
ただ、「彼ら」、と書いたが、「Dream Sound Factory」に関してはオフィシャルでの情報は何1つない。
1人なのか、複数なのか、複数なら何人組みなのか、名前なんてもちろんないし、「digibeat」だから拠点は北海道?くらいしかわからないのが実状。
なんとなく「I’ve」の高瀬一矢とは繋がりがありそうかも、という感じはするが。
この短期間に発売されたマキシ4枚でアッサリ活動を終えたようなので、おそらく今後は伝説になっていくのだろう。
おそらく4枚とも廃盤くさいので、今なら「BEST OF DIGIBEAT TRANCE」(V.A)とかになるのかな。
このベスト盤には「fish tone」の2枚から数曲、高瀬さんと中沢さんのトランス・ユニット「HARD STUFF」のアルバムからも数曲、
最近「I’ve」系の作品でアレンジャーとしても参加している「SORMA」のアルバム、そして超美麗アンビエント・ミュージックを作る「oto」のアルバムからも数曲。
でもって「Dream Sound Factory」のマキシから3曲。
って3曲かよ!どうせならあと1曲も入れろよ!
と憤慨したのを覚えている(?)。
まあちゃんとマキシで持ってはいるけれども。
しかも収録されなかったのが4曲で最も好きな「Rise」でキレそうになった。
今でもこの理由がわからんのだが、なんでなんだろう。まさか購買意欲を煽る、ってわけでもないよなぁ・・・。
この4曲は、出来るだけ密閉された空間で、出来るだけの大音量で聴いて欲しいな、と思う。
強烈な快感を味わえるだろう。
=======
第203回7月27日(木)
命なんていらない。あなたのこれからの人生が欲しい。ただ、それだけ。
わかった。素直に謝る。
なんですか4ヶ月以上放置って(゚Д゚)
当牧場で最も反響の多いこのコンテンツ。
音楽に詳しいわけでもなく、特に好きだというわけでもない人間が書いてるのに・・・。
なので今回は、大昔にやって顰蹙を買った、「今日本で売れてる音楽に対してコメントをつけていこう」コーナーを復活させてみたいと思う。
書き進める前に忠告しておく。
多分、毒っぽくなると思う。逃げて(?)。
ランキングは「オリコン」のアルバム、月間チャートを見ながら。
1位は「ULTRA BLUE」(宇多田ヒカル)。
日本で菅野よう子と並んで最も理解不能な「譜割り」な楽曲を書く人。
「Keep Tryin’」をちゃんと咀嚼して聴けた人は、日本中で100人もいないと思うがどうだろうか(牧場主には無理)。
今でも日本のボーカル・アルバムで個人的なNo.1は彼女の「DEEP RIVER」。「ZABADAK」でも菅野よう子でも、このアルバムは越えられないと今でも思う。
ただ、好きではない。
「DEEP RIVER」も、好きじゃない。ただ、すごいだけで。
テレビで彼女が出ていたらチャンネルを変えるほど嫌いだし、
この「ULTRA BLUE」も買わない。でも、それでも彼女のポテンシャルとクオリティは、そんな人間でも認める。
アメリカへ渡ったのは正解だと思ったが、いつのまに帰ってきてたんだろう。
おそらく彼女の音楽が日本で、ちゃんとした意味で認められる日は、永遠にやってこないのに。
2位は「HORIZON」(レミオロメン)。
売れる理由は解るが、長続きするかどうか微妙なところ。
楽曲は良い、演奏も良い、個性も華もあるし、スタンダードなロック・バンドであるとは思う。
ただ、まったく食指は惹かれない。牧場主が求めている音楽とやっている音楽との乖離が激しい。
3位は「Catch the Wave」(Def Tech)。
「MONKY MAGIK」と重なってしまった感がある。
一発屋で終わらないクオリティはあると思うが、多分もう国民は彼らの音楽に飽きてる。
そもそもなんで日本であんな微妙なラップとかヒップホップが受けるんだろう。詩なんて意味ないよねーとでも思ってるのだろうか。
5位の「HOME」(アンジェラ・アキ)。
徳島の田舎を愛する晩成型のボーカリスト。
個人的には難癖をつけるところはほとんどない。普通に頑張って欲しいと思う。
FMでたまにゲストで見かけるけど、素の方が面白いよ、この人。
でも、CDは買わないな。「歌が上手い」とか「曲が良い」とかで牧場主はCDを買わないから。
13位「DELIGHT」(愛内里菜)。
まだ音楽活動やってたんだ・・・。まあ、頑張って。
14位「BEST」(倖田來未)。
なんで人気出るのかわからないアーティスト。
偏にレーベルの売り方が上手いんだろう。資質とか魅力とか関係なく売ってくれるから☆
がんばれ。もはやこのプロモートのしかたには同情の念が絶えない。
他のレーベルならもっと「歌」で勝負させてくれただろうが、おそらくそうなると今度は売れない。
・・・。
すいません、この辺でやめておきます。
=======
第204回9月19日(火)
また欲しくなるくらいなら、滅してしまうのも手だ。それを世界からか、私を世界からか。
最近聴いた中でどれを取り上げようかな〜と迷った挙句、
やっぱり自分がファンではなく「信者」とハッキリ言えるのは「I’ve」なので、そこから1つ。
「SEED」(川田まみ)
「I’ve」のボーカリストの1stアルバム。
KOTOKOに次いでのメジャー・デビューで、彼女の妹分的存在かな?
全12曲中アニメなどの主題歌になっていたのが3曲(多分)ということから、いかに「I’ve」の手数の多さが窺えると思う。
とはいえ、これ発売されたの3月の終わりなんだよね・・・。
とまあそれはさておき。
なかなかいいね。うん、思った以上に楽しめる。
KOTOKOのソロ・アルバム以上に魅力的だと思う。その辺は好みもあるだろうけど。
KOTOKOの総合プロデュースは「I’ve」の総帥こと高瀬一矢氏。川田まみはブックレット読んで知ったけど、中沢伴行氏が担当。
高瀬さんほど作る楽曲のジャンル的な振り幅は決して大きくないが、楽曲を「まとめあげる」のがすごく上手い。
爆発的なエネルギーを放出することは少ないが、どれも平均して作りこんで、そのクオリティの振り幅は高瀬さんに比べて小さい気がする。
あと個人的に大好きな羽越美有氏の楽曲もあって嬉しかった。個人的に前々から感じてたが、KOTOKOに比べていい意味で「使いやすい」ボーカリストなんじゃないだろうか。
余談だが、アニメ「つよきす」のED曲「open」(詩月カオリ)。
この1曲のためだけにアニメのアルバムを買って、本当にそれ以外聴いてないんだが(コラ)、
これを作曲した井内舞子って人を全然知らなくて、「新人か?「I’ve」にも羽越さん以外の女性コンポーザーが現れたんだなぁ」と思っていた。
井内舞子=羽越美有、という事実を最近知った。切腹!(死語)。
「SEED」で好きな曲は断然「悲しみの森」。
中沢さんの特徴である美しく流れるアレンジに、しっかりとした打ち込みの「I’ve」サウンド。
節回しに特徴のある川田まみだが、こういう曲が最も合ってると思う。ただしこの独特の節回しが苦手だと川田まみの魅力はほとんどないといっていい。
個人的にはとても好きなので、「I’ve」のボーカリストでは詩月カオリに次いで好きで、KOTOKOよりも好きだ。
KOTOKOの場合、これはソロ・アルバムに限ってだが、スタンスの違いに違和感を覚える。
アルバムとしてのクオリティはちゃんと「I’ve」だし魅力的だと思うんだが、どこか「ぶってる」印象を受ける。マジメ過ぎてつまらない。
これは多分に「Short Cirkit」(I’ve)などの電波系楽曲の存在がそのギャップをより鮮明にさせてしまうんだろうが、ちょっとそれから脱却しようとしすぎてるんじゃないだろうか。
それに比べて川田まみの場合は、やってることがデビュー前と何ら変わらない、ブレてないから安心できるし、違和感も残らなかった。
KOTOKOの特徴、強みは、いい意味での汎用性、何でも出来るところだと思ってるから、2枚のソロ・アルバムには若干の違和感が残る。
「悲しみの森」以外では表題曲の「seed」、そして「Not Fill」、「you give・・・」、「昼下がりの午後」も好き。
というよりはイントロの役目を果たす「roots」から締めの「another planet〜twilight〜」まで、現時点で「飛ばす」曲が無い。これはとても珍しい。
ただ、褒めてばっかりでは終わらないのが当牧場。
歌詞が、ダメ。
ダメというか、明らかにKOTOKOの模倣。
とはいってもKOTOKOの歌詞にも魅力をまったく感じない牧場主には(゚Д゚)?
チャートに溢れている最近のバカ歌ほど日本語が破綻してるとは言わないが、これではプロの作詞家に石を投げられても文句は言えない。
KOTOKOの場合は、それこそ電波系楽曲の作詞には目に見張るものがある。
これは100%褒めるんだが、ああいった作詞はそこいらの人間には書けない。これは本当に賞賛に値すると思う。
そろそろKOTOKOの3枚目が出るから、それも楽しみなのは確か。
ただ、歌詞にはまったく期待していない自分がいることも、確かだ。
=======
第205回1月22日(月)
あなたには権利が無いのではない。資格が無いのだ。
うへぇ、1ヶ月ぶりか・・・。
2006年に聴いた「I’ve」のフル・アルバム。メジャー限定で。
結局「SEED」(川田まみ)、「O(オー)」(島みやえい子)、「UZU−MAKI」(KOTOKO)の3枚か。
一応「in your life」(C.G.mix)もそうか。でもまあこのアルバムはちょっと毛色が違う気がするのでとりあえず3枚だけ。そういやMELLのアルバムってまだかな?
まあアルバムはまだ聴き込めてない部分も多いのでまた次回。
個人的に、去年の「I’ve」が輩出した楽曲で、メジャー作品として世に出てる中で、の条件の下、5つ挙げてみよう。
5位「ひぐらしのなく頃に」(島みやえい子)
元となったゲームもテレビアニメもまったく興味は無い。
しかもアニメで聴いても驚くほど食指を惹かれなかったが、1曲として通して聴くとハマった。
高瀬さんお得意の「暴圧的なメッセージを深淵の底から徐々に出していく楽曲」かな、と思ったら作曲が中沢さんで、それを知った瞬間弾けた。
しかもこういう曲、「I’ve」の他のボーカリストが歌っても魅力は無いと思う。
楽曲に「怖さ」と「怯え」が詰め込まれてる。
「I’ve」の楽曲では他に同系統が思い浮かばないくらい、こういう楽曲は珍しい。
「LAMENT」(KOTOKO)にしろ「Collective」(同)にしろ、脅迫めいたメッセージ性はあれど、ここまで「濃く」なかったように思う。
歌詞も意外と、といえば失礼だが趣深いんだが、ゲームと直結して連想してしまうのはマイナス。
4位「SEED」(川田まみ)
「悲しみの森」、「undelete」、「you give・・・」。
好きな楽曲の多いアルバム「SEED」の中でも、表題曲のこの曲が最も魅力的だった。
川田まみというボーカリストの魅力を引き出せるのは中沢さんの楽曲だけ。楽曲の芯が太く、ボーカルとインストのバランスが素晴らしい。
心地よい、というよりもただ漠然と「この曲は何かを訴えてきている」と感じる。
個人的に「I’ve」のボーカリストでは好きな部類だから、甘い評価なのかもしれない。
ちょっとクセの強い歌い方(特に節回し)だし、作詞に至ってはKOTOKOの模倣っぽく感じてほとんど魅力を感じない。
それでもこの曲は魅力的だわ。さすがに表題曲なだけのことはあるな、と。作り込みが他の曲とはちょっと一線を画してる。歌詞もこの曲に関していえば、十二分に魅力的。
3位「open」(詩月カオリ)
だってこの1曲のためだけに¥3,000出したもの。
井内舞子のバラードを詩月カオリが歌うって、もはやそれだけで牧場主には十分だわ。
「女に「I’ve」の楽曲制作が務まるのかよ」と、女性蔑視な視点で訝しんでいたちょっと前までの牧場主を殴り殺したい気持ちにさせた1曲。
KOTOKOの作詞も、こういう曲に関しては両手離しで褒めちぎりたい。
「レモネード」(同)や「snow angel」(KOTOKO)もそうだが、このジャンルで作詞させたら日本の作詞家単位で上位に来る。
詩も曲もアレンジもボーカルも、どれもが少女コミック風味。
「I’ve」の楽曲の中でもダントツでロマンティックだと思う。そしてそういう曲がたまらなく好きなんだ。
おそらくフルアルバムを出したら没個性に感じてしまうだろう詩月カオリのボーカルも、
コンピレーション・アルバムでもそうだが個性が突出してる。このテの楽曲を最も魅力的に歌い切れるのが彼女の個性なんだと思う。
「I’ve」の楽曲なのに毒気がまったくない。それが不思議で、魅力的。
KOTOKOには高瀬一矢、川田まみには中沢伴行、そして詩月カオリには井内舞子だな、と思う。
2位「UZU−MAKI」(KOTOKO)
1位と迷った。この曲は凄すぎる。
この1曲のためにアルバムを買っていいだろうと思う。ファンでなくても。
「LAMENT」、「Collective」系の楽曲だが、レベルが全然違う。表題曲というより、他の全ての楽曲を「喰って」しまってすらいる。
当初2〜3回聴いて「なんでこれが表題曲なんだ?」と思ったが、
いつか、まったく覚えていないうちに、この曲を1曲リピートで延々と聴き続けてる自分がいたのに驚いた。
間奏時などのロック・アレンジによるものだろうが、鬼気迫る「強さ」を感じる。とても6分以上もある楽曲とは思えないほどに、あらゆる「強さ」を徹底的に凝縮させている。
なのにストリングス・アレンジがメロディアスで、女性ボーカルなものだから、ギャップというか違和感を覚える。
それがクセになったらもうアウト。
「I’ve」では初なんじゃないかと思えるラップ的に韻を踏んだ歌詞。
やはり一朝一夕にはいかないというか、付け焼刃だな、と感じるんだが、それでも「出来た」ことを評価したい。
リリースするごとに売り上げ枚数が下がってきてるであろうKOTOKOのアルバムも、3枚すべての楽曲の魅力よりもこの1曲の魅力が勝ってるんじゃないかとすら思える。
やっぱ高瀬さんすごいわ・・・。
1位「Red fraction」(MELL)
「高瀬さんが好き勝手に作っちゃったらこんな曲になった」、的な1曲。
「I’ve」における「負のメッセージ性」のすべてが詰まっていると思う。
明らかに「お子様お断り」、「日常にケンカを売る」、「イメージ・カラーはドロドロに濃い真っ黒」とPTAの反旗が予想される。
もうこの曲に関してはあまり書くことは無い。
ただ本当に「高瀬さん、好き勝手しちゃったなぁ」とだけ。
惜しむらくはカラオケで歌いたくても歌えない点か。
ひっくり返る自信はあるな。
=======
第206回3月27日(火)
絶望さえも、あなたにとっては悦楽の一部なのか。
気がつけば、2ヶ月ぶりの当コーナー、むべ山風を、嵐と言ふらむ。
牧場主、心の一句。
当コーナーは、廃止が決定。理由は、あまりに更新されないから。
ただ、音楽について「書きたい」という欲求は突如として現れるので、何らかの形で残すかもしれない。
で、「最近は何が売れてるのかナー」とオリコンのランキングを見てきた。
牧場主はテレビの音楽番組のほとんどが嫌いだ。その理由は、テレビに出てくるようなアーティストのほとんどが嫌いだから。
「ほとんど」であって「すべて」ではない、ということだけ注意書きしておく。
よし、これで予防線は完璧だ。
なので、今何が売れているか、はサッパリわからない。昔からそうだが。
テレビで「モーニング娘。」略して「盲娘。」のアルバムのCMをやっていて「まだやってたんだ」とこぼした人間だ。
なので調べてみた。特に気になったアーティストの作品にコメントしたい。
基本的に毒になりそうな気がするので、気分を害する前にブラウザの「戻る」を推奨。
あなたの好きなアーティストを貶している可能性が高いので、本当に戻るを推奨。
推奨したからな。
23位「CROSS SEASON」(玉置成美)
まだやってたのか、な人(しょっぱなから・・・!)。
牧場主にとっては「ガンダムの歌歌ってた人」+「踊らないと唄えない、まるで魚類(エラ呼吸?)」。
ちゃんと聴いたことが無いので歌が上手いのかどうかもわからない。
若いから売れたんだろうと思ってる。現にそういえばこの人全然聞かなかったし。フェード・アウト濃厚。
21位「CHU−LIP」(大塚愛)
頑張って生きて。明日を夢見て。
18位「素直なまま」(中島美嘉)
リリースを重ねるごとにけだるさを感じる。
なんというか、晩年の「GLAY」(まだやってたらごめん)のような、けだるさ。
悪い意味にとってもいいが、この場合は聴衆に対しての侮蔑感というか、過度のリラックス感を感じる。個人的にそれはアリ。
歌は文句なく上手いと思うんだけど、好みの範疇に入らない。ただ、ナナ役をこなせるのは日本中で彼女だけだとは思う。
15位「I’m Here」(伊藤由奈)
「このランキングの中で誰か1人のアルバムを買いなさい」と命令されたら、彼女のを買う。
ここ数年で「女性ボーカリストとして文句をつけられない人」の中の数少ない、本当に数少ない中の1人。個人的にツチノコ並の感覚。
この人ハワイの生まれ育ちで日本語あんまり達者じゃないんだっけ?
今のところあんまりケチつけるところがないんだけど、これでテレビに出まくるようになったら嫌いになるんだろうな、と思う。
11位「サクラ色」(アンジェラ・アキ)
ここ数年で「シンガー・ソングライターとして文句をつけられない人」の中の、数少ない、上記以上に数少ない感覚的に火星人みたいな人。
現存する日本のすべてのアーティストの中で愛だの恋だのを唄っても説得力を持つ貴重な存在。
なんというか、歌詞が等身大で、このランキングにいる大勢のわけのわからないのとは違う。彼女の歌を聴いて恥ずかしいと思わないのだろうか。
数年前に「α−ステーション」(FM京都)で番組をやってるときに聞いてた。
圧倒的な歌唱力、「曲」に対する真摯な態度とは裏腹に、「徳島(だっけ?とにかく田舎)を愛する素朴な女性」だった。
唯一難癖つけるとしたら、華がないんだよね、この人。でも歌で自身を発現するなら個人的にそんなのはいらないと思ってるので、特に欠点でもなんでもないんだけど。
この間再婚されたそうで。幸せになってください。
6位「CHE.R.RY」(YUI)
かろうじて知ってるシンガー・ソングライター。
「特につける難癖はないんだけど、個人的にまったく合わない」典型的な代表。
女性シンガー・ソングライターというだけで牧場主は甘く評価をしてしまうんだけど、この人はとにかく声質が好みと徹底して合わない。
あのキンキン声がどうしてもダメだ。苦痛ではないが、たぶん1曲聴くと飽きてしまうだろう。
他にもミスチルやB’zもとにかくボーカルの声質がダメ。曲はよく出来てるなぁと、特に前者は思うんだけど、ボーカルが苦痛の域に近い。
「それがいいんじゃん!」とお叱りを受けそうだが、単純に感受性の相違なのでどうしようもない。責められると逆ギレする自信がある(最低)。
取り上げなかったけど、10位にあった「ゆず」も声がダメ。2人とも。というか、ダメなのが2乗されてとんでもないことになる(?)。
しかし「ゆず」ははしゃぎすぎな印象。もうちょっと落ち着いてもいいのでは。
4位「WINDING ROAD」(絢香×コブクロ)
良いアーティスト同士のコラボレーションだけど、逆ニックス。
ニックスの意味はその辺の競馬好きの人に聞いてください。
3位「茜空」(レミオロメン)
泣ける。とりあえずJRAのCMを思い出して泣ける。
男ばっかりのバンドって基本的に嫌いなんだけど、ここまでクオリティが高いとグゥの音も出ない。
バンド名の由来がメンバー3人の好きなもの、「レディオヘッド」、「ミオ」(元彼女の名前らしい)、「路面電車」のそれぞれ頭文字から取ったものということらしい。
それを知ってて、「レミオロメン」のメンバーが好きな3つを思い出そうとするんだけど、
まず真っ先に「路面電車」は出てくる。あとは「レミオ」。ここでどうしても元カノの名前=「レミ」となって平野レミが連想されてしまう(嫌過ぎる)。
じゃあ「オ」ってなんだ?ミスター・オクレか?とかなってしまってげんなりする。いろんな意味で。
最近酔いつぶれて横になってるときに「レミオロメン」とか言って歌う真似(PV)をするんだけど、誰も気付いてくれない。むなしい。
2位「BUT/愛証」(倖田來未)
個人的にはもはや憐憫の感情を禁じえない。
「こ、これは応援してあげないとダメなんだろうか」とファンが憤慨する印象を持つ。
「avex錬金術」が生み出した、伝説の錬金術師パラケルススすら裸足で逃げ出しそうなホムンクルス。違う意味で彼女をテレビで見るとワクワクする。
申し訳ないが彼女のCDを買うくらいなら「しんぶん赤旗」と「聖教新聞」を同時購読する(1pも読まないが)。
よく誤解をされるが、「avex」所属のアーティストが嫌いなのは、個人の資質というよりも「そこに所属してるから」嫌い、に過ぎない。
だからここのアーティストは個人的に全て生暖かい目で見てしまう。
1位「Flavor of Life」(宇多田ヒカル)
日本の音楽界を迷走する歌姫。
どこへ向かおうとしてるのか凡人ではまったく理解不可能。
ファンが彼女のやることなすことについていけない感じはどことなく菅野よう子に似ていると思う。
別にファンではないが、彼女の音楽は常に注目はしている。買いはしないが。
名盤「DEEP LIVER」を決別状代わりに日本に叩きつけて活動の拠点を米国に移してから、おかしくなった。
アッサリと日本へ帰ってきて以降、どうも「好きに作った曲」と「これならあなたたちにもわかるでしょ?」な曲を意識的に分別してリリースしてる気がする。
この曲は後者。どうもビジネス・ライクな匂いがする。
ただ、シンガー・ソングライターとしてはおそらく日本で最高の才能を持ってると思う。
少なくとも、牧場主が知りうる中で、彼女以上に才能に恵まれたアーティストは知らない。ボーカリストとしても超一流。
でも、テレビに出て喋る彼女は嫌い。100%チャンネルを変える。
しかし「マキシマム・ザ・ホルモン」が急にメジャーになってビックリ。
牧場主も「ROLLING1000tOOn」からなのでそう昔からじゃないんだが、なんかすごい違和感を感じる。
アニメ「エアマスター」のEDだった曲。仮題が「夜中にアニメなんか見てないでサッサと寝ろ!!」だったのが面白すぎる。彼らの音楽なら骨の髄まで好きになれる。
下品だけどね、全体的に。音も詩もメンバーも
=======
第207回5月15日(火)
母親の愛情を知らなくても母親にはなれる。むしろ知らないからこそ良き母となろうとする。
まあ2ヶ月に1回更新できれば御の字だろう、と。廃止も決まってるし。
廃止のタイミングは当牧場のぷちリニューアルとともに。廃止予定の他コンテンツと共に電子の藻屑となります。
今回のお題は「人生という名の列車」(馬場俊英)。
メッセージを頂いてからちと更新が遅れて申し訳ない。読まれてるかどうかわからんけど。
牧場主はFM京都の「α−ステーション」が大好きでよく聞いている。
通勤の行き帰りくらいなので、平日は「α−モーニング京都」や「ネオ・スイング」、「ムーンライト・ウォーク」、
土・日は「J−ACトップ40」、昔は仕事の関係で「サニーサイド・バルコニー」や「ルート894」なども聞いてたんだけど最近は平日が祝日の時くらいしか聞けてないなぁ。
馬場俊英を知ったのも「α−ステーション」がキッカケ。
「ボーイズ・オン・ザ・ラン」(馬場俊英)の番宣で馴染みの京都のFMで露出が多かったときに知った。
この曲を聴いたときの衝撃は今でも印象に残っていて、とんでもない人がいるもんだと思った。後にこの曲を聴いたコブクロが直接カヴァーさせてほしいとお願いに行ったほどの曲。
1枚のアルバムでホロリと泣けた曲が3曲もあった。そんなアルバム今まで無かった。今後もないだろう。
飾りっ気の無い、むしろ朴訥という印象さえ受ける楽曲構成に歌声。ただ滔々と、「自分の歌」を作り、歌っている純粋な姿勢を窺う。
演歌までいかない、昭和の匂いのするいわゆる歌謡曲も好きなのは好きなんだけど、この人の音楽を聴いてるとまるで自分が生まれる前の風景すら色付きで想像できるのが意外だ。
思い出すのが、たぶん「チャミー・トレイン」という番組だったと思うんだけど、
番宣でゲスト出演した馬場俊英にDJノキヨピーこと谷口キヨコが「女の私としてはハッキリ言って不愉快な歌詞です」と言い切ったこと。
「ボーイズ・オン・ザ・ラン」のことなんだけど、このやり取りを牧場主は苦笑しながら聞いていた。
キヨピー、そうなんだ。一生女の気持ちなんてわからないけど、あんまりいい思いはしないと思う。
でも、でも、この曲は男による男のための曲であって、やっぱり牧場主はこの曲の特に歌詞で泣いてしまうんだよ。それはどうしようもないんだ、男だから。
ただ、彼には女性ファンの方が多いと思う。こういう音楽はどちらかというと女性が好むと思うし。
「人生という名の列車」をたぶん5年後、10年後に聴いても穏やかに微笑みながら聴けるだろうし、
「ボーイズ・オン・ザ・ラン」や「スタートライン」なんかは10年どころか50年、もう死ぬまで宝物であり続けてくれるだろうと思う。
チャートを見てもピコピコ音楽ばかりな世の中、オススメはしない。
じんわりと心に染み込んでくる優しくゆったりした音楽という名の空間は、現世にはもったいないくらいだ。
20代の後半以上の男がこの人の音楽で泣かないはずがない。自信を持ってそう断言する。
さらには語弊を覚悟で言う。
若い男と女はこれでは泣けない。
個人的な印象をそう持った。
働く男の必携アルバムであり、アーティスト。
=======
第208回6月12日(火)
懐かしい風が吹くあの丘の向こうには、未知であり未開であり未踏の道標が遺されている。
今回のお題は「RAKA」(志方あきこ)。
元々は何で知ったのかなー。多分「花帰葬」という女性向けゲームのサントラかな。
確かオススメされるままに買って聴いたらこりゃめっけもの、という感じで一気にお気に入りのアーティストの仲間入り。
ボーカリストではなく、シンガー・ソングライター。女性のシンガー・ソングライターというだけで個人的にかなり甘く評価してしまうんだけど、彼女の音楽は希有のものだ。
特徴は「特徴を持たない音楽観」と「多重録音によるスピリチュアル・サウンド」、としたい。
好き嫌いが分かれる、というのは音楽だけでなく芸術に関して全般にいえてしまうが、
それでも彼女の音楽は聴く者を選ぶだろうし、ソッポを向く人の気持ちも十分解ってしまうのが悲しいといえば悲しいし、特徴といえば特徴。
で、こんな風に書いておいて何だし、彼女の音楽を好きな人はいい思いをしないと思うが、どうしても思ってしまうので書かせて欲しい。
上野洋子そっくり。
牧場主は今のところ人生において最も影響を受けたアーティストが2人いる。
「CHICANE」と、上野洋子。日本の音楽なら菅野よう子でも高瀬一矢でもなく、迷わずに上野洋子だと言い切れる。
イチ時期流行ったヒーリング・ミュージックを思わせるコーラス・ワーク、
ファンタジー感満載でところどころ「?」となる音使い、そして何より触れれば壊れそうなほど脆そうなのに芯の通ったボーカル・・・。
多分志方あきこという人は「ZABADAK」世代なんじゃないかな、と思う。
少なくとも影響を多分に受けているはずだ。これで知らないとか、それを牧場主は信じない。それくらい彷彿とさせる。
上野洋子よりも音使いはわかりやすいし、端的に言ってポップなのでオススメもしやすい。
「晴れすぎた空の下で」なんかは詩も曲もアレンジも歌いまわしも「私は羊」(ZABADAK)に通じる。
おそらく両者のファンはそれぞれを好きになれると思うし、ファン層も重なるように思う。決して模倣とかではなく、オマージュ、という言い方が正しいか。
とはいえ「ZABADAK」は解散して10年以上経つし、
ソロ活動以降の上野洋子に関してはその評価が分かれるところなので微妙ではあるかな。
でもワールド・ミュージック+整合感とコーラス・アレンジに重きを置いた打ち込み(テクノ)とか、「Puzzle」(上野洋子)に近いんだけどなー。
この「RAKA」というアルバム単体で見るなら、非常に良質のアルバムだと思う。
ヴァイオリンに葉加瀬太郎をフューチャーした「AVE MARIA」のカヴァーもバランスが取れてて、ありふれているこの曲のカヴァーとしては美味。
しかしやはり圧巻は「謳う丘〜EXEC_HARVESTASYA/.〜」か。
この人を喰ったような構成に取り憑かれる牧場主は音楽に関してはマゾなんじゃないかと思えてしまう(?)。
ヒュムノス語という独自の言語+日本語の奇妙な乖離感は、昨今溢れまくる日本語+英語にまみれていることも相まって新鮮かつ妙味があって興味深い曲になっている。
ちなみにアルバム・タイトルの「RAKA」とはサンスクリット語で満月の夜、という意味なんだそうだ。
アルバム内にも様々な言語が登場するので、そのせいもあって無国籍な音楽という印象を持つのだろう。まあ、色んな才覚を持つ人だ。
もう1つ、ちょっと意外だったのが、あまり作詞にかかわっていないこと。
女性アーティストというと「歌うんだけど曲を作れないから作詞でもしてファンに顔見せ」という脳内を疑う輩がチャートを徘徊するが、それがない。
まあ作詞なんてものは愛だの恋だの書いて明日へ向かってGo!的に書いておけばファンは及第点を与えるから、日本語を理解できればほとんどの人間に出来る。
あんま書きたくないし、書いてもいいことなんて1つもないんだが、「I’ve」の曲の多くもこれに当てはまってしまうのが悲しいところ。
総じて良いアルバムだな、と。価格分の価値は十分にある。
余談だが「Puzzle」(上野洋子)。
これ、上野洋子関係のアルバムの中でも1、2を争うほど好きなんだけど、ハッキリ言ってオススメはしない。
リアルで交友のある人にもほとんどオススメしてないし、「これ聴くんだったらもっといいのがありますぜダンナ」とほかの作品をおもむろにプッシュする。
なぜか。
自分で言うのもなんだけど、あらゆるジャンルの音楽に偏見と嫌悪の無い人でないと聴けないアルバムだから。
「ポップ・ミュージックも、クラシックもロックもジャズもテクノも歌謡曲もなんだって好き」という人にしかオススメできない。
それくらい多角的な作品。
以下、今回における関係先リンク。
「RAKA」(志方あきこ)
「Puzzle」(上野洋子)
「behind the sun」(CHICANE)
「私は羊」(ZABADAK)は廃盤らしい。残念。
=======