音楽のお小言


第168回6月1日(火)
あなたに新しい誕生日をあげよう。

こないだ買った米倉千尋のベスト盤か、
「楽園」(堀江由衣)のどっちか聴こうと思ってガサゴソ。
なんか最近が最近なのであまり深く考えなくていいこっち系を聴きたいな〜、と。

でまあ米倉がどっか行ったんだけど。

どこ行ったんだろう。

なので「楽園」を聴いた。

声優の、えーっともう4枚目か。
早いのか遅いのかよく解らないけど、まあ人気なんだろう。
好きな方には不快なコメントになるだろうが、相変わらず歌はとても下手(
あ〜あ)。

とはいっても1stを思うと随分聴けるようになった。
それは2ndで顕著になり、4枚あわせてもこの2ndが最高傑作。
ボーカリストとしては多分お金取ってはいけないレベル。「声優の」がなければ淘汰されてる。

で、牧場主はなんでそんなのを買ってるのか。
1stは知らない間にあった。これは本当。買ったという記憶がない。
2ndが出た頃にそれに気付いて、2ndは正直何かのついでに買ったような覚えがある。

それをずーっと、解らないくらい未開封のまま放置していたんだが、
とある少女コミック作家が作品の中で「1stがすごく良かった」とコメントしていたので、1stを開封。

少しげんなりする

ちょっと、これはしまったと思い、
ほとんどやっつけ気分で2ndを聴いたが、逆にこれが良かった。

1stからかなり歌を歌うことに慣れた感じ。
右も左も解らないのに無理矢理連れ去られて歌わされてる1stから、
ようやく自分がどういう層にどういう評価をされ、そしてどうすれば好評を得るかに気付いた2nd。

この2nd、雲子という人が曲のいくつかを書いているが、
この雲子という人の書く曲が、もっともボーカリストとしての彼女のイメージと合致する。
レーベルの主砲であるがゆえにかなり「えぇ〜!?」という作曲、編曲陣が脇を固めているんだが、
それらの中でも雲子、そしてこのあいだ早逝したシンガー・ソングライターの岡崎律子の2人がよく彼女を解っている。

全体的にたどたどしさは抜けてないんだけど、
良く取るとそれは懸命さ、純粋な表現力の裏返しと見ていいだろう。
1stではそのたどたどしさが悪いほうへ流れてしまい、聴く者に違和感しか残さなかったが、
2ndになると良い意味での開き直り、自身が自分と対象層との関係を認めて、そして向き合ったと牧場主は見えた。

そして前作の3rd。

音だけなら格段に進歩した。
今のヒット・チャートを眺めても、曲単体なら見劣りしない。
1つのアルバムとして整合感が取れて、ファンの間でも人気は高いだろうと思う。

が、声をいじりすぎてよく解らなくなった。
エフェクトかけまくってバック・コーラスで濁して、歌の下手さを消そうとしている。

これ、声優のアルバムとしてはやっちゃいけないことなんじゃないか?

だから異様にアッサリした味気ないアルバムだと感じたし、
曲や演奏、総じてプロデュースなんかは2ndより断然に上な分、惜しいと思う。

そんな経緯をしての4th。

3rdの悪いところだけを伸ばした感じ。

もうこれ、この人が歌う意味はゼロといっていい。
相思相愛だったであろう岡崎律子率がかなり高いのが余計に泣かせる。
この売り出し方、レーベルを考えるといつものことなんだけど、それを繰り返すのか、また。

これはもう、彼女に同情する。

歌は下手だし、ボーカリストとしての評価はまったく出来ない。
でもそれでもアルバムを出す必要性があるのだから、誤魔化しは聴く者への愚弄に他ならない。

むしろナチュラルにその下手さを出せばいいのだ。

曲を書く布陣は多ければ多いほど、誤魔化しに聴こえる。
雲子と岡崎律子、松浦有希という女性陣だけで売ればもっと評価は違うはずだ。

ただただ勿体無いなぁ、と思う。
下手なりの良さを唯一評価できる人だったのに。
まだ出すであろう次回作は作曲陣を見てから考えたいと思う。

正直に言うと、ファン層を考えるなら、音の進化は必要無いと思うのだ。声優だから。

それを潔しとしないものだけが、変な意地とプライドをもって、「イタい」路線へと走る。

今この岐路に立ってるのが水樹奈々。
最新作は途中で聴くのを辞めた。ひどい作品だった。
1stがダメでも2ndが開き直ってかなり良い出来だった分、また調子に乗った。

堀江由衣という人は、もう最近ほとんど解らなくなったが、
それでも女性声優としては3本の指に入るくらいの人気なのだろう。

ならば、ただ彼女らしさだけを表現していくだけで構わない。
そしてその「彼女らしさ」を最も発揮できるのが、その3人の曲だと思うのだ。

1人は故人となってしまったが、
次回作が雲子プロデュースなら迷わず買うだろう。

ってこの雲子という人は何者なのか。

ちょっと調べてみようかな。

かなり少女少女した詩と曲を書くけど、慣れれば面白いよ。


第169回6月2日(水)
抗う事も許してくれない。この感情はおそらく、生まれた瞬間から決まっていた事実なのだ。

「Spotlight Kid」の曲が試聴可能。
ということで意識を飛ばしながらダウン・ロード、そして、聴く。

舞う!舞う!舞う!)。

「Spotlight Kid」は渡部晋也のソロ・プロジェクト。
この人は別名「wata」、そして「Nuerosocietia」としても活動している。
前者だと「I’ve」でいくつか曲を提供しているし、後者でもアルバムを出したりしている。

試聴可能になったのは「青く、果てなく」(SHIHO)。
「SHIHO」は「I’ve」でもお馴染みの、そして人気の高いボーカリスト。

「Robert Miles」を意識した、とあるように、
イントロからメロディアスなピアノが先導し、リズム隊が曲を整える。
ビートそのものはトランス・テクノ、というように速いものだが、かなりいいね、これ。
サビ直前の転調はこのテの曲の王道でもあるけど(
戸越さんのボーカル曲みたいだ)、実に効果的。

カッコいいなぁ。

「I’ve」の人ではないけれど、
色んな技と路線を持っていて、武器はものすごく多い。
そもそも名義が多いのは音楽の方向性によって使い分けるからだそうだし。

絶対買うんだけど、どうやったら買えるんだろう・・・。
また同人誌置いてるようなお店でしか売らないとかはカンベンしてください田舎なので!

出来れば通販を。値段倍でいいから!(コラ)。

「SHIHO」のボーカルももちろん嫌いじゃないけど、
このアルバムに入る片霧烈火+霜月はるかの曲を聴きたいザマス!(
)。

「...SPLIT」(Nuerosocietia)より断然ポップ。
好みは分かれるだろうけど、「I’ve」よりはビジョンが固定化されてる。
ようするに整合感が高い位置にあって、音数が多いわりにはすんなり入っていけるし、聴きやすい。

イントロで引っ張られたらもうアウト。
0から100まで作り手のイメージ通りの術中にハマるだろう。
もう出だしからのコーラス・アレンジでノック・ダウンされた、という人もいるだろうし、
意外と素直なメロディ・ラインにこそ魅力を感じる人も多いかもしれない。聴きどころの多い曲だとは思う。

「SHIHO」ももちろん下手じゃないしね。
前半の素の語りはいらないと思うのは牧場主がファンじゃないから。
「I’ve」で好きなボーカリストは「MOMO」と詩月カオリ、という人なので、これは好みだね。

グルーヴ感の出し方とか「C.G.mix」に匹敵する。
「C.G.mix」の方がより一層ポップでメロディアスな曲つくりだけど、
渡部さんは良い意味で固い。間口は相当広いのに、奥行きは誰よりも深いんじゃないか?

多分音作りに関して「I’ve」の誰よりも神経質なんだろうなぁ。
中沢さんもそのケが強いけど、渡部さんのほうが一層そのケが強いような印象を受ける。

でもピアノはまんま「Robert Miles」かも(苦笑)。


第170回6月11日(金)−第1部−
あなたに光が訪れますように。ここに光があるように。

最近・・・音は聴けてません。
なんか毎回書いてるような気がしなくも無いが。
もうそろそろ今年も半分が終わろうかという事実に逃げ出したくなる。

この時点で、今年最も回数を聴いたアルバムって何だろう。

うーん。

「アカリ」(村上ユカ)、「FICTION」(梶浦由記)、
「WOULF’S RAIN O.S.T.2」(菅野よう子)、かな。なんとなく。
そういえばこないだの攻殻の2枚目、個人的には1枚目の方が好きかも。や、2枚目ももちろん良いよ。

村上ユカは歌い方に拒否反応を示す人も多いと思うし、
梶浦由記のこのソロ・1stは、悪く言うと寄せ集めといわれても仕方ない作品。
狼の2枚目も、音は抜群に好きだが意外と聴くのにエネルギーがいる。「ターンA」やブレンと比べて。

というわけで今はただ冬コミ・グッズの到着を待ちわびて・・・!

特に「CLANNAD」のボーカル・アレンジ・アルバム。
あんまり期待しすぎるのも危険だけど、「たくまる」があの曲群をどうアレンジしたんだろう。

来週かぁ。

楽しみ。


第171回6月11日(金)−第2部−
あなたの声が聞きたかった。あなたの夢を知る前に。今ではもう、叶わないけれど。

どしどし更新される「Spotlight Kid」の試聴曲。
漏れなく落としているとCDを買った時の新鮮味が、とも思うのだが・・・。

ドダイ無理何語)。

今回、「MOMO」の曲ですよ!
「I’ve」のボーカリストの中で多分1番好きじゃないかな。
そりゃもう、「KOTOKO」や島宮えい子より好き。ただ単純に声と歌い方が。

「I’ve」の中で唯一艶っぽい歌い方が出来る人。
表現はどうかと思うが、ただ1人「大人の色香」というものを感じられる。

牧場主は中森明菜とか古内東子とかに激弱なのですよ・・・。昔でいうなら五輪真弓とか。

って何書いてますか牧場主!

曲は・・・どうだろ、試聴曲3曲の中では不人気、かな。
個人的には「wata」さん小憎い曲を作るなぁ、と思うんだけどね。聴き込み系。
4つ打ちビートなんだけど、全体的にメロディの起伏が無いから物足りない人もいるだろう。

サビ直前のブレイクとかもっと強く主張できたと思うんだけどね。
曲全体として、この人が作る曲としてはかなりフラットで、つまりボーカリストの力量に依存する。

派手さはないけど、根底を演出する打ち込みストリングスとか心地良い。

でもやっぱり「MOMO」だなぁ。
素の声、歌ってない会話の声をはじめて聞いたけど、普通の人だ!(
)。

「I’ve」の中でも1、2を争うほどの力量、と書くと総スカン喰らいそうだな・・・。

でも確かにこの曲、歌うの難しいだろうなぁ。

というより、こういう曲は「MOMO」でないと。

この人30になるかならないか、だったと思うけど、
それでこういった歌い方ができると思うと魅力的だと思うんだけども。

ただ「I’ve」のファン層と合致しないだけで。

いい声してるよねぇ、ホント。


第172回6月12日(土)
それでも僕はただ、「ありがとう」と言わなければならない。

この1行目を書きながら、「書くの止めようかな」と思っている。
どうだろう、なんとなく書き終わってから愚痴になってるんじゃないかと思うからだ。
思っている事を、そのすべてを、大っぴらげに書くという事はできない。できるはずもない。

嘘は書かなくても、そうするために口にできないことがいくつかある。

さて、とりあえずテキストを進めてみよう。

牧場主は、音楽を聴く事が好きだ。
というよりここをご覧のおそらくは全員が、そうであるだろう。
そして実は、「音楽を聴く事が好きではない」という人に出会ったことが無い。

「音楽好きなら」って、そもそもそうじゃない人っているのか?

ところで、音楽を作る事というのは、仕事であるか、趣味であるかだ。

では音楽を聴く事とは、なんだろう。

それは趣味だ。

それ以外の表現は、誤りだ。
生き甲斐とも何とでもいえる。だが、それは自分にしか通用しない。
「音楽を聴く事」ということは、趣味という表現以外から逸脱はしないし、それ以外は納得しない。

だからたまに「牧場主さんはたくさんの音楽を聴きますね」とか言われると、
それはもちうろん悪い気はしないが、正直なところ「はぁ」としか返しようが無いのが本音だ。

例えば、「散歩」などに置き換えるといい。

「よく散歩されますよね?」とかいわれても、「はぁ」としか答えられないのではないか。

音楽を聴く事は好きだが、それは趣味であり、それ以外になることは無く、それ以上でもそれ以下でもない。

音楽というものは、たくさん聴けば聴くほどよいのだろうか。
その問いを肯定するなら、ではなぜ、と問いたい。所詮は趣味だ。他人には関係ない。
他人にひけらかしたいのなら、それはそれでアリだ。それが目的なら、たくさん数を聴く事は正当化されるだろう。

だがそれを牧場主は楽しいとは思えない。

自分では音楽をたくさん聴いているという自覚は全く無い。
それはなぜかというと、そんなに数を聴く必要が無いと思っているからだ。
生涯を終えるとき、1番好きな曲と1番好きなアーティストを挙げられれば、それでいいと思っている。

個人の趣味だから。そして音楽を仕事にするつもりはないから。

だから実は音楽を聴く事に関して、それに対してのポリシー、というようなものは無い。
好きになればそれまでだし、逆もそうだ。感受性を言葉にするのは難しいから、自分で説明できないだけでもあるが。

あと数を競うのが好きじゃない。
元々何にしても「競う」ということが好きではない。
これは別に崇高な思想からではなく、単に負けるとムカつくからだが。

だがCDの枚数とかは、競う意味が解らない。
仕事上というのならわかる。だがそれは必要性という言葉に置換できる。
だがあくまで個人の域であるのに、持ってるCDが何枚だとか、それを発信する必要性を教えて欲しい。

仕事と自己満足と自慢以外に、だ。

こういうことを問われるとだいたい牧場主はこう答える。

「牧場主より少ない人もいれば、多い人もいるだろう」

自分でも解る。この表現は欺瞞だ。
自分がいかに中立性を保とうとしているかの発信に過ぎない。
だがやはりそれを認めても、しばらくはこの表現を使い続けるだろうと思う。

「趣味として牧場主よりも音楽好きな人もいるし、そうじゃない人もいるだろう」

それでいいんじゃないか。

他人に対して優位性を保ちたいという姿勢はわかるが、音楽がその犠牲になることは、ただ許せない。

 

〜〜〜以上は酔って書いたテキストなので30分ほど置いて、以下〜〜〜

なんか、裏日記みたいだな(えー?)。
読み返すと自分で反吐が出るよ。なんだこの王様テキスト。
これは単に自分が量として音楽を聞いてないことに対してのエクスキューズでしなかない。

ただ牧場主が「他人に自慢できる何か」を持たないから、こういう愚痴を書く。

ってそれ、直前の1行だが、も誰かに「そうじゃないですよ」と言って欲しいだけ。

なんで趣味なのにこんなに悩むのだろう。
誰とも競いたくは無いし、ただ楽しく笑い合えればそれでいい。
音楽を知識として持ち合わせていないのでマジメに語り合うとすぐにボロが出るが、
ということはつまり感受性、自分の感じた言葉でしか語れない、そしてそんな牧場主を認めてくれる人もいる。

なら、それでいいかな、と。

好きな1曲と、好きなアーティスト、そして語り合える何人かがいれば、完結する。

それが牧場主にとっての音楽。

ずっと聴き続けていくけど、ずっと姿勢は変わらない。

こんなところでよろしければ、今後ともよろしく。

・・・。

ってオフ会前に書くことじゃないな。

明日にでも消すか!コラ)。


第173回6月14日(月)
苦しいときにこそ頼るべきは自分。

とっとと追いやるために何か書こう。
とはいわれても最近は・・・っと、ありました、ネタ。
また「I’ve」のMDを作ろうかと思っているわけですよ。何枚目だ。

「Short Circuit」(I’ve)が出て、
それを機に作ろうと思っていたのだがズルズルと今まで。
これまでにも何枚も作っているのだが、今回はそれ以上にできるだけ詰め込もうと。
牧場主は「I’ve」の信者だけれど、いくらなんでも1つの作品の全曲を聴くかというと、やはりそうでもない。

アルバムの中であんまり聴かない曲というのもある。
なので持っている全アルバムから好きな曲を抽出し、MDに叩き落す。
某サイト様のデータ・ベースを活用し、先に何を収録するかを決めておくのが第一歩。
1st「regrets」から5th「OUT FLOW」、さらに各種ミニ・アルバムや「Stokesia」などからも抽出。

「time rolls on...」(KOTOKO)のように、
CD化されておらずゲームそのものを買ったという作品などもリストアップ。
ちなみにこのゲームは未プレイのままどこへいったのか知らない。音データがあるからもう要らないけど。

そしてとりあえず、8割くらいリスト・アップ完了。

現時点で曲数は63曲。

1枚のMDが80分。
「I’ve」は平均して長い曲が多いので、
1曲5分強と考えると15曲くらいか。16曲はまず入らない。
ということはMD枚数は4枚に収まらず、最低5枚、もしかすると6枚、となる。

そら〜りあんですごひゃーくごひゃくッ!マジックネタですか)。

多すぎるんだも〜ん(よしなさい)。

ちなみに「Dear Feeling」や「Eye’s Blue」なんてどこいったか解らない。
かなり昔にやはりベストMDを作るときに発掘して以来、行方不明。年単位で昔の話だ。
最近の「diRTY GiFT」なんかはそこに・・・見当たらないな(
目線で追っている)。まあ出てくるだろう。

出てきてだも〜ん(しつこい)。

ちなみに今でも1番好きな曲は「Now and heaven」(島宮えい子)。
どうにもマジで同じ嗜好の人がいないというのは心地良いね。中坪マジック曲なんだけど。
あとは「明日の向こう」(KOTOKO)とか「僕らが見守る未来」(詩月カオリ)、「レモネード」(同)とか、
「time rolls on...」(KOTOKO)、「I pray to stop my cry−NineBall Mix−」(MAKO)とかかな。

アルバム別だと「regret」と「LAMENT」から8曲で最多だった。
「Short Circuit」から5曲もエントリーな自分の嗜好性が意味不明で楽しい。

楽しいんだも〜ん(・・・)。

ちなみに1、4、5、11、13曲目です。わはは!

ミニ・アルバムでは「Dear Feeling」かな。
やっぱりこの作品のコスト・パフォーマンスはイカれていた¥2,000。
今になるとネット・オークションでは新品未開封だと軽く¥20,000を超えるはずだ。

・・・

え、「地ならし屋」(MR)?(書いてる本人も意味解りません)。

そういえば「Treating 2U」の男性ヴォーカル版の入ったCDとか数年行方不明。

あのボーカリストってt(以下略。てか非公認)。


第174回6月21日(月)
光のように速い旅路の中、あなたは見つけられただろうか。

さて待ちに待った音グッズ。
「ビジュアル・アーツ」の2003年冬コミ限定発売のいくつか。

目玉は「I’ve」プロデュースの「Ozone」(島宮えい子)、
そして「
key sounds label」の2点、だったのではないだろうか。
とりあえず先行通販で真っ先になくなったのは「key」のセットだったみたいだし。

その「key」のセットはCDが2つ。
あとテレカとかあった気がするが非常にどうでもいい。
この春にようやく出た「CLANNAD」のいくつかのBGMをボーカライズした、
「ソララド」(riya)と、そして「Kanon」と「AIR」の人気曲をピアノ・アレンジした「Re−feel」(V.A)。

ゲーム自体は2004年の4月の終わり発売、
だがこの「ソララド」らは2003年の12月の発売になる。
牧場主などは今日はじめて聴く、つまりゲーム後に聴いたわけだが、
果たしてこれ、ゲーム前に聴くのはどうなんだろう。なんとなく、まずはそんなことを思った。

「key」のゲームは他の似たようなゲーム製作集団とどこが違うかというと、
まずは音楽に対しての意識の強さと高さ、そしてその位置付けを最重要視しているところだ。

音楽というのがゲームの中の1要素ではなく、
もはや必要不可欠の、なんといえばいいか、前提、といえばいいのか。
つまるところ異様に練るし、作品として音の聴かせ方というものに過敏なまでに意識している節がある。

これ、一見するといいことのように思えるかもしれないが、
客観的にみるとあまりほめられた事ではない、とみる事も出来る。
それを如実に感じたのが「AIR」の音楽、引いてはあの「青空」(Lia)という曲だ。

この「青空」、もうゲームとしての「AIR」を抜きに語れない。
凶悪なまでに、徹底して構築された使い方に、腰を抜かした人間は多いはずだ。
問題は「AIR」抜きの「青空」というものを考えた時で、一生経験する事は出来ないのだが、どうだろう。

もちろん想像する他ないが、「普通の」曲なんじゃないか。
「Lia」の歌唱力は非常に抜きん出ているのでとやかく言うレベルにないが、
あの曲がここまで伝説として位置付けられているのは、やはり演出上の使われ方にあるからだ。

だけどなぁ。
「AIR」抜きに聴くのもマズいよ。
というか、聴いてはダメなような気すらする。
絶対一生、ゲームとしての「AIR」に触れないのなら別だけど、
微塵でも、0.1%でもその可能性を拭いきれないのなら、絶対に聴くべきでない。

これは「CLANNAD」も同じ。
「小さなてのひら」(riya)とかゲーム前に聴くべきじゃない。
もちろん「青空」ほどではないにしろ、やはりここの音楽は少し異質な作り方をしている。

そんなところの音楽の、しかもBGMのボーカライズ。
アレンジは外注だが、作りにくいことこの上ないんじゃないかと思う。
BGMのボーカライズは「AIR」の「夏影」を「Natukage」(Lia)とした前提はあるが、
あの場合は元のBGMも、ボーカライズも同一人物、麻枝准がこなしたからあの純度なんだろうと思う。

だから今回、聴く前から期待はそれほど高くなかった。
外注先の「
Little Wing」はあの大好きな「たくまる」らの集団なのだけど、
リアレンジとかならともかく、あの楽曲群をどう「歌」にするのか、興味のほうが先立った。

思いっきり化かしたよ。

うん、良い方に化かした。上手い。
原曲が注意しないと解らないくらいなのは吉と出た。
特に「オーバー」のような曲はプレイヤーには新鮮に聴こえることだろう。

さすがに「空に光る」なんかはいじれなかったんだろうけど、
元の曲が実に訴求力の強い、プレイヤーにとって印象深い曲だろうから、
これはこれでよかったのだと思う。この曲だけ原曲と曲名がまったく同じだからね。

個人的に「海鳴り」に参った。降参。
あと「遠いた旅の記憶」もさすがに「たくまる」さんだな、と。
どっか「Moon」(Lia)に似た和風を感じるアレンジだけど、上手いね、どうも。

まだちゃんと聴き込めてないのでどうともだけど、
欲を言えばもっとボリュームが欲しかった。全6曲は少ない・・・。
これで単体価格¥2,000をどう見るかだけど、ファンなら納得だろうと思う。

問題はその「ファンなら」なんだけどね。
ゲームをプレイした人間には何ら不満に思う事はないだろう。

現に牧場主はこれなら倍でもいいと思うし

あとは「CLANNAD」のサントラ、か。
楽しみだけどかなり待たなくちゃいけないんだろう。
そうだな、全曲、ボーカル曲も含めて収録されるんならドカンと出すよ?

それだけの価値はあるもの。

次の更新までに「Re−feel」聴き込もうっと。
一応2〜3周聴いたけどね。「双星」が入ってないのがつくづく残念。

ってあれのピアノ・アレンジもどうかと思うけど。

いくつか試聴できる曲もあるので興味が向けば


第175回6月25日(金)
古ぼけた光景にもあるその幸せを、君に。

ずっと「ソララド」(riya)と「Re−feel」な日々。
だったのだが、ようやく数日前から「Ozone」(島宮えい子)を聴いた。

これ、「「I’ve」のアルバム」というより、
「島宮えい子のアルバム」という位置付けが正しいかな。
もちろんプロデュースは「I’ve」、しかも高瀬一矢のものなのだが、
全曲の作詞と作曲を島宮えい子本人がこなしている点で、やはりこれまでと違う。

これまでと、というのは、
例えば「dear feeling」(I’ve)であったり、
また「diRTY GiFT」(同)であったりと比べて、の話だ。

どれもこれも冬コミで限定発売された作品。
ネット・オークションでは軽く¥10,000を超える値段を推移。
こうなると音がどうこうというよりももはや売り手は投資目的なんだろうな、と思う。

が、質が良いからまた困る。
特に「dear feeling」はイカれたコスト・パフォーマンス。
「over」(AKI)などにオリジナル楽曲3曲を加えた内容だが、どれもこれも秀逸。
特に「prime」(KOTOKO to AKI)と「明日の向こう」(KOTOKO)はファンなら必聴と書いておく。

今回の、ということは2003年末の冬コミ。
そこで「I’ve」が出したのがこの「Ozone」、というわけだ。
ボーカルはもちろん島宮えい子オンリー。そこがどうしても引っかかった。

「ホログラム」(島宮えい子)も「ヴァニラ」(同)もピンと来ない。
これは「I’ve」が前に出てきてないこともあるだろうが、イマイチ、グッと来ないのだ。

ボーカリストとしてはそれほど悪いと思わないし、
「I’ve」の最初の頃は、歌い手ではこの人が1番好きだった。
だが最近では特に目立たないし、個性もやや薄れてきてしまった気がしていた。

そういう経緯を経ての、「Ozone」。

や、すごくいいよ。これはいい。
「ソララド」ばかり聴いてたけど、これも非常に良質。
全5曲、アレンジは高瀬一矢が2曲、「C.G mix」が2曲、中坪淳彦が1曲。

彼ら3人が今の島宮えい子の声をどう引き出すのか、
聴く前にそこに注意しようと思いつつ1周聴くと、その後何周も何周も聴いた。

ってここまで書いてそろそろ「バーニン・ポケット」なのでまた明日(えー!?)。

島宮えい子の声や歌い方が好きなら、値段が高騰する前にオークションを当たろう。その価値は保証。

「key sounds label」の作品とは違い、この作品は発売されない。

って「I’ve」の冬コミ品は全部そうだが。


第176回6月26日(土)
闇に埋もれた思い出と、光の彼方にある希望を、あなたに。

「Ozone」(島宮えい子)はまた今度で「ソララド」(riya)語り。

長いので覚悟しろ何様)。

1曲目「少女の幻想」。
原曲は「幻想」で、その作曲は戸越まごめ。
今回のアレンジは「たくまる」が担当し、コーラスも務める。

聴き始めは随分原曲に近いんだけど、
進むにつれてボーカルが出てくるからそれほど印象が強くない。
とはいいつつ、一応作詞が「key」こと麻枝准だけど、祝詞みたいだよね、これ。
歌詞を読み取らせないようにしているような気がする。「少女の幻想」という曲名からも、そんな気がする。

結構、退屈した人多いんじゃないかな、この曲。
でも、スタート時と終焉時の、曲の厚みのアンバランスさが美味。
さりげなく色んなところでパーカッションなりコーラスなりが出てきて、よく聴くと面白い。

2曲目「オーバー」。
原曲は「それは風のように」、作曲は折戸伸治。
そうか、この曲は折戸さんだったか。杏のイメージ・ミュージック。
「オーバー」の編曲は「まにょっ」が担当し、作詞は麻枝准。って詩はほぼ全部この人。

「CLANNAD」のボーカル曲、
ゲームとは直接関係ないにしろ、それでもまず驚いた。
イントロから軽妙なテンポと非常にライトなコーラスが、予想外のところから来た。

だいたい「CLANNAD」からすれば、こういう曲は異質。
後述の「遠い旅の記憶」とか「空に光る」ならゲームのイメージと合致してるんだけど、
こういうアップ・テンポでカラオケ向きな楽曲なんてゲームからすると「?」という印象しか浮かんでこない。

とはいえ。

親しみやすいメロディなんかは良いね。
だからゲームとはかけ離して聴くのが正解、だと思うけど。
確かに杏のキャラクター性を考えるとこういう曲になるんだろうと思うけど、
そもそもそうすると選曲の意図が解らないし。それほど重要な曲でもないでしょ、この原曲も。

キャラとしては多分1〜2番人気なんだろうけど。

あとこういう詩は好き。
珍しく(
)まとまった前向きさを書いてる。
深読みすればゲームと関連付けられるけど、それはどうかな。

あとカラオケ向きと書いたけど、実は全然違うね。
全曲中、もちろん「少女の幻想」は除いて、最も不向きな曲だ。
コーラスとボーカルの線がドカンと離れた位置にあるから歌いにくいと思うよ、この曲。

3曲目「海鳴り」はアレンジが「たくまる」。
原曲は「潮鳴り」で、こちらの作曲はやはり折戸伸治。
実は、恥ずかしながら最初全然「潮鳴り」が元だと気付かなかった。
ボーカライズということでかなりデコレートしてるけど、軸のメロディがまったく同じ。

でもね、この詩は・・・泣けと言ってるのか?
「潮鳴り」自体がああいう曲だから、ゲームと関連付けせずに語るのは無理。

それでいてこういうアレンジ・・・。
知らなかったら戸越さんのアレンジだと思ってしまうよ。
もしかするとゲームの「CLANNAD」のイメージと1番合っているかも。
サビを効果的に印象づけるために転調させるのは常套手段だけど、マジに上手いね。参った。

4曲目「遠い旅の記憶」、アレンジは「たくまる」。
原曲は「雪野原」でこちらは折戸伸治。詩は「riya」なんだ。
って何気に「海鳴り」から繋がってますよ。この部分だけノン・ストップな構成。

まず明らかに浮いてる詩がどうなんだろう。
浮いてる、というのはこの曲だけ色が違うという事なんだけど、
ここから聴く者は何をどう受け止めろというのだろう。やはりゲームと結びつけるのだろうか。

曲はかなり和風テイスト。
つか歌い方もそうだけどトラッドな曲風。
かなり厳かな、とっつき難い曲だけど、だからこそ、
こういうアレンジを聴かせてくれる「たくまる」の手腕にただ脱帽する。

「雪野原」がかなりアレなんで、あんまり語っちゃダメか。
真っ先にこれ「pure snows」、と思った人も多いだろうし。牧場主の事だが。

ってゲーム中はそんな余裕ありませんが。

あるもんか)。

5曲目がまた、変だ。
原曲が前述の「幻想」と、さらにもう1曲。
それが「町、時の流れ、人」で、こちらも折戸伸治の楽曲。
この「ソララド」での曲名は「一万の軌跡」で、アレンジは「まにょっ」。

この曲もまた妙なアレンジだなぁ。
少なくとも「CLANNAD」っぽさ、というのは皆無。
イントロや間奏でいきなり原曲の旋律を持ってくるのをどうみるか、かな。

2つのトラックを並べて併合して芯を通した感じ()。
だから牧場主はこの曲の印象を問われると、「変な曲」としか答えられない。
曲の善し悪しというよりも、この悪い意味じゃない違和感、というのが第一印象となっている。

さあそしてラスト・トラックの「空に光る」の登場だ。この曲のアレンジは「たくまる」。
この原曲はいわずもがな。ゲームをプレイした人間で気付かない人間は誰1人としていない。
そう、「空に光る」そのままで、BGMの方は戸越まごめの作曲だった。麻枝さんかな、とも思ってたけど。

これはもう本当にそのまま。だから良くも言えるし悪くも言える。
ただ、結果論から言うが、この曲は、この曲だけはいじくって欲しくなかったから、満足。
「riya」もよく歌ってると思う。アレンジが威張らない、けれど印象強い旋律からすると、難しいはずなんだけど。

そういう意味では「Natukage」(Lia)に近いかも。
「Lia」ほど歌は上手くないけど、この「riya」という人も面白い個性を持ってる。
なんというか、柔らかくて情緒深い。有体に言えば切ないね、この人の歌い方や声質そのものが。

だからこの声で前向きな曲(アップ・テンポという意味ではない)な曲がかなり美味。
ゲームで言うなら「CLANNAD」のED曲、「−影二つ−」(riya)とかその典型的な例だと思う。

「青空」(Lia)と並んでファンの間でも禁句になっただろう「小さなてのひら」(riya)も同じ。

ただひたむきに、真っ直ぐで、でも頼りない。

なんとなく麻枝准が惚れた理由が解る。
歌唱力という点ではダントツに「Lia」だろうけど、
この人の書く曲が合うのは「Lia」ではなく「riya」の方だろう。

ちなみに今でも「小さなてのひら」を聴くと100%泣く。客観的に書くのはしばらく無理だろうなぁ。

「メグメル」(riya)なんかもそうだね。
かなりアグレッシヴで挑発的なビートなんだけど、
ボーカルの声質が少年っぽいからそのアンバランスさがとても美味だ。

今更ながらこの「メグメル」も全然「key」っぽい曲じゃない。
どっちかっていうと本格的なRPGのOPみたいな曲だ。そうは思わないか?(
誰に)。

ああ、話がそれた。「ソララド」ね。
これで¥2,000なら全然安いと思うが、人によるだろう。
特に牧場主はゲームとしての「CLANNAD」の信者だから余計なんだろうな。

でも。

「願いが叶う場所」なんかがボーカライズされなくて良かった・・・。


第177回7月12日(月)
孤独な心と、絶望の陰に隠れた喜びを、この地へと。

今日のお題は「prismatic」(Lia)。

お題を求められることは歓迎です。たとえ古くても。
もちろん知らない作品とかの感想を求められても答えられませんが。

「まあ、頑張って。明日を夢見て」とかそんなのでよければ(失礼だろ)。

や、これは主に「avex」系のアーティストにしか使わないけど。

さて、「Lia」の1stアルバム。
10曲+ボーナス・トラック2曲の合計12曲という構成。
まずこの12曲の中で目を引くのが「鳥の詩」のリアレンジ曲じゃないかと思う。

で、ここで質問だ。
このトラックに期待した人はいるだろうか。
おそらく「key」のファンですら、期待した人間は少ないはずだ。

牧場主は「またか」などと思う。
1度前にひどい失敗をしているのだ、この曲で。
「鳥の詩」という曲は、あの原曲以上には、絶対にいじることは出来ない。

なぜか。

「AIR」というゲーム作品の主題歌だからだ。

すでに徹底的に練りこまれていて、改良の余地はない。
それが「key」の持ち味であり、「手を加えること」は「質を落とす」ことに直結する。
オリジナル版のアレンジは「I’ve」の総帥こと高瀬一矢だが、ゲームのために、あの曲はあれほどの質を誇る。

ゆえに評価が高く、そしてゆえに、色んなところの作品に目玉として借り出される。

そもそもこれを書いていいのかどうかは解らないけど、
折戸さんはボーカル曲を作るのに向いてないと常々思っている。
何度も「ボーカル曲は書きたくない。出来れば逃げる」などという発言を見る限り、
やはりご本人としても、自らがボーカル曲よりもBGM向きだということを自認されているのだろうと思う。

今回の「鳥の詩」はテンポを落としてのラテンっぽいノリ。
ハワイアンというかなんというか、曲名にもあるけどずいぶんなサマー・ブリーズ。
別に悪かないんだけど、これかオリジナルかと問われれば、そんなものは迷うことなく原曲と答える。

結局はこの1曲で層を取り込もうとしている姿勢がありありと見えて、言葉は悪いが幻滅する。

だがこの1曲を無視すれば、1人のアーティストのアルバムとしては、悪くない。
もともと「Lia」の歌唱力は前からずっと評価してる。「歌を歌うこと」に関しては素直に上手いと思う。
声質や歌い方で抵抗を感じる人もいるだろうけど、それはまた嗜好の範囲で、歌唱力としてはお金取っていい人なのだ。

でも確かに続けて聴くと疲れるな、この人の声は。

やっぱり「張り」がキツいんだろうな。
良く言えばパワフルだけど、悪く言えばストレート過ぎる。
小細工が利かないし、有体に言えば決して器用な歌い方が出来る人じゃない。

だから素直にバラードやメロウな曲の方がすんなり聴ける。
このアルバムでは「鳥の詩」の1つ前の曲(
曲名覚えていない)が好きだし、
この作品以外ならば「Natukage」や「Nostalgia」、「SHIFT−世代の向こう−」などが美味。

ああ、「SHIFT」で思い出したけど、英語詩は抜群に上手い。
日本人が歌謡曲で聴く英語詩というのは、歌い手がいくら流暢に英語を話せてもダメで、
要するに「詩で聴く英語」と「英会話の英語」は根本からして違う。だから日本のアーティストはダメだとも聞く。

この人は両方出来るんだろうな。
日本人の耳に馴染みやすい英語をしっかりと歌ってくれる。

まだ1曲1曲を聴き込めてはいないけど、
ボーかリスト「Lia」の声などが好きなら買って損はしないはず。
逆に言えば、そうじゃないと多分満足な印象は得られないだろうと思うけどもね。

牧場主は好きだから買ったけど、それほどムチャクチャに好きというほどでもない。

もちっとファンの方へ対しての甘々な書き方をしても良かったんだろうけど、
あんまり取り繕ったテキストは、特に音楽ではあんまりしたくないのでほとんど本音になってしまった。
「(「prismatic」を)書かないのですか?」というご要望をいただいたので余計に言葉を選ぶべきだったかも、とも思うけど。

ウソ偽りで「最高でしたー!」と書くのも侮辱だろうと。

だから万が一にも面白くないことを書かれてもいいなら、ネタをください。

あ、「Ozone」(島宮えい子)はオススメ。良いよ、このミニ・アルバム。


第178回7月13日(火)
願いは叶う。あなたのその願いは、叶えられるためにあるのだから。

今回のお題はゼノIIのサノトラですよ奥様!()。

んまあ!

ゲームのムービー用のサントラ。
ゲーム中のBGMは誰か他の人がやってるんだろう。
2枚組みで3曲を裕に超える曲数だが、しっかりと引き締まっていて聴いててダレない。

基本的にドラマティックで挑発的な曲調のものが多く、
確かにアニメ「NOIR」のサントラ盤に近いところも多く、ファンは期待して良し。

なんというか、久々に「全身を駆け巡る悪寒に似た快感」を体感。

これだよこれ。もう、梶浦節全開。
2枚組みで¥3,000をちょい超えるくらいの価格も嬉しい。
ゲームそのものは興味がないというか、「1」すら初回版が未開封な人は無視すべき(
)。

仰々しいストリングス使いだとかは相変わらずで、
それ以外で今回特に耳についたのはパーカッションとバグパイプ。
一気にアイリッシュに引き込む手法は「NOIR」より「FICTION」の方を思い起こすかも。

あえて難を言えば連続して聴き通すのには不向きな作風、かな。
一応どういう作品であれ気になった良いところとそうじゃないところを記すことにしてるのだが、
この作品においてケチつけるんだったら、世界観が広すぎて聴いていて疲れる、というのもあるかもしれない。

部屋のBGMには向いてないというか。
腰を据えて面と向かって聴く音楽なので、垂れ流しには出来ないだろうな。

まだまだ聴きはじめの段階だけど、これはオススメですよ奥様!()。


第179回7月29日(木)
祈ることと願うことは違う。叶うことが前提であるのか、そうでないのかの違いだ。

最近特に書くことが無かったり。
基本的に新しい音というのはほぼ車の中で聴く。
なのであまり腰を据えて、集中して聴くべき作品は、開封されるのが遅い。

そういう作品はPCで聴くが、今度はそもそもPCで音楽を聴く、ということがそう、無い。

まあそんなことはどうでもよく(口癖)。

今日のお題は「夏雲ノイズ」(スキマスイッチ)で。
昨日まで買ったことを忘れていたよの男性2人組の1stアルバム。
確かCD屋で「
アナザー・マインド」(上原ひろみ)を買うときに、一緒に買ったのかな。

何か「ついで」が欲しいなぁと思っていて、
たまたま店の1番見栄えのするところに堂々と展開してあったのがこれ。
全曲聴くと知った曲が何曲かあったので、知名度としてはそこそこ、もしかすると相当あるのかな。知らないけど。

買った理由は「ついで」、と「なんとなく」。
強いていうならモニターでプロモ映像が流れていたからだ。
基本的に男性ばかりのユニットなりバンドって好きじゃないんだが、ま、たまにはいいかと。

そして今日聴き終えた。

うん、良い。なかなか良いよ。
100点満点評価なら素直に80点以上は確定。
かなり密度の濃い音楽をしている。1stなのに全然軸がブレていない。

音を何かと比べろといわれれば、ミスチルっぽい。
実は牧場主は、ミスチルがあんまり好きじゃなかったりするんだけど、
それはあのボーカルの声質だけで(
それが致命的)、音は確かにすごくしっかり作られているとは思う。

でも、ミスチルにしろこの「スキマスイッチ」にしろ、面白くない。

音作りが完璧すぎて、楽しめない。
スキが無さすぎて、何だか遥か彼方にいる感じがする。
崇高といえば聞こえはいいものの、聴く者を受け付けてないよ、この音楽。

もちろん人の好き好きによるといえばそれまでだが、
それを前提としてしまうと音楽に対するコメントなんて書く意味を成さない。
少なくとも牧場主はそれほど好きではないと答える。その一端としては声質もあるかもしれない。

ただなぁ。音はすごくいいの。
1曲1曲の質がかなり高く、そして捨て曲が無い。
ジャケットやビジュアルからややライトな先入観を持ってしまうんだけど、
こと音楽になると徹底して作りこんだ感を隠さない。ムチャクチャプライドが高いんだろうなと思う。

あと詩が強烈にロマンチック。
曲名を忘れたが、トースターの曲(
なんだそれ)。
開いた口が塞がらないくらい書き手が悦に入ってるのが解るよこれ。
ほとんど賭けみたいなものだけど、好きな人なら一発でアウトだろう。でも書いてるの男なんだよなぁ。

って女の人は絶対ああいう詩は書かないけどね。

曲はやっぱりといわれようが「奏」が1番好きだ。
メロウなバラードだけど、ストリングス・アレンジがビックリするほど質高い。
「!?」というような人がゲスト参加したりしているので、価格分の価値は自信を持ってオススメできる。

男性2人組でロマンチックな曲を書くといえば、
牧場主としては「Ka−ya」を思い出したりするんだけど(
知りません)、
まあ「これで1stですか?」という実にクオリティの高い作品だと思う。繰り返すけど買って損はないよ。

しかしあのアフロは地なんだろうか。

それがすごく気になる。


第180回8月20日(金)
ただその手のひらに想いを込めて。そしてあなたに「ありがとう」を。

「CLANNAD」のサントラを聴いてます。
いや、サイト運営してなかったら店舗発売を待つ身だったんだろうな。
この場を借りて代理購入していただいた
crescent glaces様に御礼緒申し上げます。ペコリ。

計3枚組み、56曲。
ボーカル曲3曲にはメロディ譜があり、
何よりほぼ全楽曲に作曲者の楽曲解説がついている。

個人的に「CLANNAD」というゲームは、
おそらく今後10年くらいはこれを超えるゲーム作品は無いと断言する作品だ。

唯一可能性があるなら、同じチームが作る作品のみ。

その強烈なクオリティの一端を担っているのが、音楽に他ならない。

ずっと昔から、それも「key」ではなく「タクティクス」の頃から、
この系譜の音楽はずっと高い評価をされてきた。「同棲」からといってもいいだろう。
だが当初は、さすがに「エロゲとしては高い音質」という評価であったはずだ。あの頃はそういう時代だった。

計56曲。

これはそんな「PCゲーム・ミュージックの変遷の集大成」と表現して構わないと思う。

あまりにも圧倒的であまりにも繊細な楽曲群。
本音を言うと、たかがゲーム・ミュージックでここまでの質は必要ない。
だが、「key」のゲーム作品なら、それが必要になる。だからこそ、この3枚の意義は非常に大きい。

ただ、前もって前提として記しておく。
個人的には、「AIR」の音楽の方が好きだ。これは間違いない。
各々意見はあるだろうが、そういう人間もいるということだ。これはもう変わらないのだろう。

それでも、クオリティ、音楽の良さとしては、「AIR」を凌駕している。
ちなみにゲーム作品としても「AIR」の方が好きだが、「CLANNAD」の方が断然に上だ。
ただ「key」に関してはファンを通り越して信者化しているので、語ると長くなるのであまり語らないようにしよう。

さて、このサントラ。

まず苦言を呈するならこのコミケ先行発売を勘弁して欲しい。
相変わらずもったいぶった売り方だが、手に入らなかった人間がどう思うのか。
1〜2割値段を上げていいから自社で通販専用とかにするべきだった。本当、何を考えているのか。

ああいけない愚痴っぽくなってしまう・・・。

ではまず1枚目から。

1曲目「汐」。

ちょっとだけ麻枝さんの曲かと思ったが戸越さん。
タイトル画面で流れる曲なので、おそらく最も聴く頻度の高い曲。
1分強と短い構成で収録したのに驚いたが、これは「AIR」のサントラの1曲目と同じ。

あんまり多く語っちゃダメ、この曲。
「CLANNAD」といえばこの曲、という人も多いはず。

曲名も曲名だしな!(コラ)。

2曲目「幻想」。

以降はすでに手が疲れてきたのでまた今度何だと)。

ちなみにゲームのところでも今度は内容について更新しようと思ったんだけど、
なんというか、アテネ五輪と「バーニン・ポケット」のおかげでドダイ無理(
何語)という方向でよろしく哀愁(死語)。

ゲームの方はもう、しばらく忘れたい。


第181回8月23日(月)
生まれたままの風を抱いて、君と行こう。遥か高みへ。思い出の生まれる場所へと。

3曲目「メグメル」(riya)。

「CLANNAD」OPテーマ。
のくせに聴けるのが中盤以降と演出的にも凝った位置づけ。
曲がどうのこうの、ボーカルがどうのこうのという以前に、気になったのが歌詞だったりする。

「風のような微かな声が、高い空から僕を呼んでいる」

「君を照らしている大気がまだ消えないなら、僕を待っていて。静かに見下ろして」

そして決定的なのが次。

「世界は続いている。君を目指しながら」

・・・。

これって「AIR」の世界観そのまんまですよねぇ!?春原?)。

「−影二つ−」(同)にしろ「小さなてのひら」(同)にしろ、
その2曲は「ああ、「CLANNAD」だな」と納得できるのだが、この「メグメル」は・・・。
作詞が「riya」本人だが、ある程度製作側から「CLANNAD」の世界観とか提示されたはずなんだけど。

あ、でもこの人面白いよね。
面白いというと語弊はあるけど、良い個性持ってる。
抜群に上手いというわけではないけど、声質と歌い方にとても惹かれる。
もう「Lia」より好きだこの人。前も書いたけど、麻枝准の曲のイメージに最も合致した声質だと思う。

どっか頼りなくて、たどたどしくて。
でも歌声にちゃんと一本の芯が通ってるから聴くのに難が無い。

でもこれって「AIR」だよね?(しつこい)。

「CLANNAD」の3曲のボーカル曲で唯一未プレイの方へ紹介できる曲でもある。


第182回9月8日(水)
転がり込んできた幸運は、生かさなければ。

「ユグドラシル」(BUMP OF CHICKEN)をようやく。
出てることはもちろん知っていたが、買ったのは今日になってからだったりする。
CD屋で買う時、牧場主は1枚買うなら他に欲しいものを探して複数枚をまとめて買うようにしている。
CD屋に足繁く通うほうではないし、今年はあまりCDを買わないようにしている。つまり行く頻度がかなり少ないからだ。

実は今日もCD屋に行ったが本当に手に取る作品って無かった。
村上ユカの新譜はかなり楽しみにしているけど、まさか置かれているわけはないし、
「Utada」に関しては一瞬迷ったもののラジオなどで聞くと良くも悪くも本当にフォーマットが向こうの音楽でやめ。

どうしようかなぁ、と思っていると「ACIDMAN」の新譜があったので、それと一緒に。

で、「ユグドラシル」。
真っ先の感想は「さすがだな」、と思った。
今の日本の音楽シーンを見渡して、これほどの質ってそうはない。

なんというか、非の打ち所のない音楽だと思う。
実は諸手を挙げて、というほど好きなバンドではないんだけど、
その分、そういう人間が書くテキストとして説得力を感じていただければ嬉しい。

結論から言うなら、これまでのインディーズ時代の作品とあわせて、最も好きなアルバムかな。
特に「スノースマイル」はシングル時にはそれほど惹かれなかったけど、ちゃんと通して聴くと腰抜かしそうになる。

まだ他の曲については何かを書けるほど聴き込めてないけど、
このアルバムで好きな曲はと問われれば、特に迷わず「スノースマイル」と答える。
実は「オンリーロンリーグローリー」があんまり好きじゃないのもこの曲が際立つ要因なのかもしれない。

例によって苦言というかマイナスを書こうかと思ったんだけど、
このバンドは当牧場の来場者様の中でも好きな方が多そうなので、またの機会に。

100%全員が100%高評価できる作品って古今東西音楽に限らず存在しないはずなので。

それって結局は宗教だしね。


第183回10月29日(金)
たった1つだけのものを、手に入れるのが難しいね。

更新すれ〜と一言コメントを頂いたので、
かなりになったが久しぶりに音楽のところを更新することにする。
てか、ここを更新しないということは特に書くことが無い、ということでもあるんだけどね。
「CLANNAD」の音関係を書くべきだけど、競馬並みに熱っぽくなるので一応自粛という形を取っていて、
それ以上にそもそも「今年はCDを(
あまり)買わない」という目標()を立てているので、ネタ自体に困ったりしているのが日常。

でも買うCDは買う。

まずマキシで「ハツコイ」(サニーサイド・アップ)。
でもってようやく手に入れた「
角砂糖」(村上ユカ)が最近のお気に入り。
どっち書くべきか解らないけど、お気に入り度という方向で村上ユカの3rdアルバムにする。

てか前作の「アカリ」(同)もまだ全然飽きてないのに!
だから9月の頭発売でもここまで引っ張っていた。インディーズということもあるけど。
ついでに今まで買えなかった「
はなうたち。」(同)も買ったので、「角砂糖」の次はこちらを聴きこもうと思う。

というわけで「角砂糖」。
もちろん全曲の作詞・作曲は村上由佳本人。
アレンジに本人とホッピー神山が割合的に半分づつくらいかな。
前作のようにアレンジャーが多岐にわたる、というわけではないので、この辺はお好みで。

曲によって色んな顔を覗かせるボーカリストだから、
前作はまるでおもちゃ箱をひっくり返したような満載感があったけど、
今回はもっと一本の筋が通ったような、しっかりとまとまった印象を受ける。良しにしろ逆にしろ。

現時点でどちらかを選べといわれれば「アカリ」の方を選ぶが、
なにぶんそれは上野洋子編曲&コーラスの「赫い鳥」があるから、というのが大きい。
あ、今回の「角砂糖」、すごく「ZABADAK」っぽい。歌い方やコーラス・アレンジの雰囲気がとても似てる。

村上ユカ本人が上野洋子を尊敬している、と書いていたし、
本人にその意識は無いのかもしれないけど、双方のファンとしては如実にそれを感じる。
だから前々から書いているけど、ボーカリストとしての上野洋子や「ZABADAK」が好きなら間違いなくツボなはず。

でも彼女らの歌い方に拒絶反応を起こす人が多いのも事実。
特にこの村上ユカの場合、NHK的というか、「みんなのうた」的というか、
シチューのCMで流れていそう、というか、そういった清廉すぎる嫌いがあるのは確か。

でもやっぱり彼女は「母」だから。一児の母でもあるから、その辺りもあるんだろう。
上野洋子よりももっと底辺が広くて、こういう表現が相応しいかどうかは解らないが、「面白い」。
上野洋子は聴きこんでいくと「恐さ」すら覚えるようになるが、彼女の歌の場合は、ただゆったりと、そこにある。

今回のアルバムでは「おかえんなさい」が抜群に好きだ。
疲れているときに聴くともうすべてを投げ出したくなってくる。良い曲だねぇ。
前作の中の「夕陽トロピカル」とかでもそうだけど、歌詞描写がホントに普段の日常そのもので、
なんかもう「愛とか恋とか夢とか未来とかそんなのなに?それよりも今日のご飯が美味しかった」的な普段着のものだ。

一言で言うと「ほっとする」、音楽。
前述通り独特のファルセット使いや節回しは好みもあるだろう。
だが、曲や歌詞そのものは、あなたが日本人なら、それほど迷わずオススメしたいと思う。

惜しむらくは、今回彼女の手がけるイラストが少なかったことかな。

ブックレットとか凄く楽しみにしていたんだけど。Tシャツ買ったくらいだし。

多分この人のライブに行くと、主な客層は主婦層なんだろう。

あ、歌上手いよこの人。それは間違いなく。

あとわざとらしくて邪魔かもしれないけど、
こちらのほうにもWEB拍手を設置しました。ゲームとかにも置きます。
基本的に「更新しろ」と言われない限り更新しないので、そういう方がおられれば(
いるのか?)、
稀にポチッと、あいや押すだけじゃだめだ。コメントがないと解んないので、そういう方は「しろコラ」とでも送ってください。

ネタとかももらえるとありがたいです!(ダメ)。

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第184回11月2日(火)
行こう。待ってくれていなくても、私はそこにいるべきなんだ。

日記にも書いたんだけど、CD屋に行ったのですよ。
何度か書いてるが今年はいかないように心がけているのがCD屋だったり。
しかし、最近になってCD屋に行っても手ぶらで帰ることがザラなので、あまり意味は無いようだ。

今日もガーっと見回ってはみたのだが、どうにも。
そりゃタダならいくらでもあるが、お金出してまで欲しいのが何も無い。
今年はCDとゲームはいざ手にとってから、「これを本当に楽しむかどうか」を熟考するようにした。

ってそれが当たり前とか言わないように

でも「Port of Notes」の新作があってどうしようかと。
畠山美由紀ともう1人男の人(
ひどい)とのアコースティック・デュオ。
1曲だけどゲストに松任谷由美の名前があってどうなってるのかすごく気にもなって。

でもね。買わなかった。うん、偉い牧場主。

その実は「後で取りに来よう」と思って忘れただけ。

が・あ・あ・あ・あ!!激昂)。

死ね数時間前の牧場主!(錯乱)。

で、どうして買おうと決めていたものを忘れたのか。
そりゃもちろん他に買うものが出来て、それをレジに持っていったからだ。

世界の中心で、愛をさけぶ オリジナル・サウンド・トラック」(河野伸)。

ついに牧場主も「セカラー」ですか。

ってそんな言葉ありません

ファンの呼び名は「サケビスト」かな。すげー嫌。断固拒否。

で、もちろん河野さんだから。
ジャケットに名前が無かったら絶対買わなかったぞ。
原作も映画もテレビ・ドラマも興味が無いが、これはテレビのサントラ。
テレビ・ドラマで目にすると買うと決めているのは千住明と作品によっての本間勇輔くらいだけど、
まさか河野さんがテレビ・ドラマの音楽手がけているとは。ずっとアレンジャーとしての仕事が多かったから意外だった。

打ち込み+キーボード+ストリングスがメインなのは特に目新しくも何も無い。
でもやっぱり「男のロマンチストがこういう作品の音楽を書くとこうなります」、という見本みたいな作品。
千住明も似たところがあるけど、「S.E.N.S」とかあの辺のイージー・リスニングが好きな方なら問題なく入り込めると思う。

ただ、河野伸という人のソロ・アルバムを通してって実ははじめてなんだけど、
やっぱり何曲も続けて聴くとよく解らなくなる。曲の個性というか、全体的に平板な作りに聴こえる。
元々この人に惚れ込むキッカケとなったのは、あるアニメのサントラに入っていたあるボーカル曲の存在だけど、
確かに河野伸の音楽だ。やっぱりすごく好きだ。男性サウンド・プロデューサーなら、多分5本の指に入るほどに好きだと思う。

んだけどなぁ。

少なくとも車で聴く音楽じゃないと思う。
部屋の中で、ただ「音楽を聴く」タイプの音楽だと思う。
表現の仕方は難しいんだけど、考えることは出来ても咀嚼までが出来ない。

メロディ・ラインとかすごく美しくて、ウットリするんだけどね。

つか1〜2曲「「key」っぽい」と漏らしてしまった曲もありましたが。ゲヘ。

次回更新時は「「HMV」の予約リストを見て牧場主が「買う!」と決めたのはこれだ!ちなみに1000枚以上見た」です。

多分。なんとなく。もしかすると。おそらくは。出来る限りは。

売れ行きリストにすればよかった・・・。

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第185回12月16日(木)
吹いた風の拠出を探るなんて無粋なことはしないでいい。

最近のヘビー・ローテーションは2つ。
「CLANNAD O.S.T」と、「
角砂糖」(村上ユカ)。
ということはつまり秋口からずーっと変わってない、ということらしい(
他人事)。

一応合間にいくつか聴いたりしたが、
数周聴くとそのまま封印されて結局この2つに戻ってしまう。
というよりは今年本当に数を聴かなかったな、と思う。これは以前に比べての話だ。

あんまり数を競ったり誇ったりするのは好きじゃないというか、
キツい言葉で言うとそれで歓びを感じる人間をバカだと思っているんだけど、
それにしても今年はCDを買わなかったし聴かなかったな、と。今回も1ヶ月以上ぶりの更新だし。

まあまとめはまた年末にするとして、今回のネタは「角砂糖」。を少しだけ。
前々回にも書いたけど、読み返してみると今と違った印象を抱いていたので興味深かったので。

前々回では「おかえんなさい」が好きだと書いた。

でも今は違う。

「オリオン」。これに尽きる。
すげー。これはちょっとした発見だぞマジで。
最初聴いてるうちはそれほど目立った印象を受けなかったけど、
今ではこのアルバムで最も好き。それはもうダントツに好きだ。聴けば聴くほどハマった。

ボーカル&コーラス&簡単な打ち込みと、そしてオルガン。

バラードじゃなくて、どこか民謡っぽい。
「小学校の頃こういう歌をみんなで歌ったよね」的な楽曲。
音数が少ないだけに彼女の歌声とコーラス・レンジがそのままズドンと突き刺さる。

欲を言えばこの楽曲を上野洋子あたりと歌ったら死んだだろうな、牧場主。

前作の「赫い鳥」での上野洋子のコーラスも美味だけど、
裏方に回ったときの上野洋子の魅力をこの曲で実現して欲しいと両者のファンは思う。

あと詩が。切ないけど前向きな詩が。
その魅力を今の「とりあえず詩を書いてみます」的な小娘に教えてやって。
具体的にはえーべ以下略だけどあんまり書くとまた怒られるので略っくすということは伏せておこう(
コラ)。

前々回に書いたときは、正直「選ぶなら」ではなく「「アカリ」一択」だった。

でも今は「角砂糖」一択。
今年のベスト・アルバムはこれなんだろう。
去年の2/3くらい、一昨年の1/4くらいの数になってしまったけど。

ただ、それに不満だったり後悔だったりする思いは驚くほど無い。
語弊はあるが、音楽に対しての執着心、好奇心は以前に比べて格段に落ちた。
言い方を変えれば、出会えた作品に対してより一層の愛着を持てるようになった、ともいえるだろうか。

以前から村上ユカには母性を感じると思っていたが、
よくよく考えると年齢はそんなに変わらないんだよね。でもそれにビックリ。
周りで言えばゾイド乗り氏と同い年か1つ違いなくらい。もっと10とか15とか上だと最初は思ってた。

作曲家としても、作詞家としても、編曲家としても、ボーカリストとしても、村上ユカという人に惚れている。

次回は「CLANNAD O.S.T」について書こうっと。

来年はもっと数は減らすだろう。

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第186回12月28日(火)
2人の間にある温度差は距離のせいじゃない。それはもっと深いところの問題だ。

こないだCD屋に寄る機会があった。
案の定気を惹かれた新作はほとんど無かったのだが、
とりあえず「
風の唄」(カズン)を買った。いつの間に新作出してたのか。

「カズン」は昔から好きだった。
昔から、というからかなりメジャーな存在であり、
実際「
冬のファンタジー」(カズン)なんかはものすごくヒットした。
アルバムも何枚か持ってるし、今でも不意に聴きたくなって部屋を捜索したりする。

前作の「おかえりなさい」(カズン)も良かった。
曲の出来にバラつきはあったが、総じて良作だったと断言できる。
だが、前作にしても今作にしてもそうだが、彼らの音楽性がやや変わってきたように思う。

昔は、アルバムでいうなら「二人のSomeday」(カズン)あたりまでだが、
彼らの武器というのはメルヘンでいてキャッチーなメロディであり、つまりは「サビ」勝負だった。
もちろん古賀いずみと漆戸啓の2人によるツイン・ボーカルがもたらすアンサンブル感を真っ先に挙げる人も多いだろう。

近作でも今作でも、それは間違ってない。
相変わらず漆戸啓のメロディ・メーカーとしての力量には舌を巻くが、
変わったな、と思うのはアレンジで、昔に比べるとずっと厚く、聴き応えが格段に増している。

その分犠牲にしたのは華やかさであり、現状の日本の音楽シーンに迎合するポップ・センスではないかと思う。

ただそれは犠牲というほど彼らは意に介してないに違いない。
ただ純粋に音作りをして、アレンジに凝って、変わらず美味なツイン・ボーカルで魅せる。
確かに今の、これは昔からそうではあるが、サビのメロディさえ、という観点から考えると非効率であるかもしれない。

何しろ彼らはこれまで、そうやって売れてきた。
言い方は悪いが、彼らはそれが出来るし、望んでるファンも多いだろう。
古賀いずみが妊娠出産のため一時活動を停止していたが、そこが境で変わったように思う。

「雪蛍」なんかはすごくシンプルなんだけど、
その「シンプル」が文字通り「単純」かというと、決してそうじゃない。
限りなく2人のボーカルに依存した楽曲はであり、本当に歌が上手くないと埋没する。

以前の彼らの作品に比べて聴き込んでこそ、という作品に仕上がっている。
それを可と感じるか否と感じるかは結局は各々の感受性と好みの問題であり、ナンセンスでもある。

ナンセンスだからこそこういう場を持って書くわけだが、個人的には感動したし、嬉しい。

もちろんこれでただ堅っ苦しいだけの音楽だったら酷評したけど、
ちゃんと馴染みやすいメロディが根底にあって、かつ奥深さを増した印象を受けた。

有体に言えば「カラオケ向き度」がやや下がった感じ。

この一言で済むじゃーんッ!

あ、えーべ某は「発売後1〜2日、もしくは発売する前からカラオケ屋直行、その後半月で放置」な楽曲ばかりだけどね。

誰も某っくすとはいってないので苦情は控えるように。

あ、今作の「風の唄」。曲はほとんど文句無い。
ただ、ただね。詩がね。漆戸啓の詩がね、ちょっと好きになれない。

惜しいなぁ。

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第187回1月4日(火)
2人で越える壁?それはあなたが相手に依存しているのではなくて?

今回のお題は「ソララド・アペンド」(riya)・・・!

をパワー・スラムして「01」(Spotlight Kid)。
ハハハハ、牧場主は天邪鬼なのだよナリタブライアン君!(
)。

まあ単に聴いた順番がこっちのが先、ってだけだけど。

「Spotlight Kid」は「I’ve」でもお馴染み「wata」こと渡部晋也の別名義。
この人は高瀬一矢に負けず劣らず非常に多い名義で活躍しているので把握するのがまあ大変。
この「Spotlight Kid」のコンセプトは「ポップ&スタイリッシュ」。美少女ゲーム音楽というからほぼ「I’ve」的なようだ。

「01」はその名の通り、この名義での記念すべき1st。
作曲・編曲を基本的に「wata」が行い、ボーカリストを起用する方針も同じ。
そのボーカリストだが「SHIHO」、「MARY」、「MOMO」、「霜月はるか+片霧烈火」、「Angel」。

前記3人が「I’ve」で何曲も歌っているし、
霜月はるかも片霧烈火もこっちの音楽に耳聡い方ならご存知だろう。

で、「01」の感想なんだけど。

すげー良いねぇ。うん、良い買い物をした。
全7曲もこれで¥2,000というのは叩き売りに近いと思う。
現状、入手するには同人誌即売会か、同人誌専門店のいくつかだが、
そういった入手方法の困難さを割り引いても、1度手にとってみる価値は多いにある。

ポップ&スタイリッシュという通り、音の間口はかなり広い。
この辺は「I’ve」のスタンスと本当に良く似ていて、「I’ve」好きなら迷わず買い。
同じ「wata」名義でも例えば「NueroSocietia」なんかはもっとテクノ感満載かつディープだけど、
こちらは本当にポップ・ソングを地で行ってるので何といっても聴き易いし、ほとんどの人に親しみやすいはずだ。

「wata」個人のサイトでダウン・ロードが出来るので、
とりあえずは試しに、掲載はショート版だが、聴いてみることをオススメしたい。

個人的にはやっぱり「虹の生まれる街」(MOMO)かなぁ。
牧場主は「I’ve」で彼女の歌声が最も好きなので、やっぱり1番心象に残る。
「I’ve」で唯一女性らしさを持つ、例えば「艶」であったり、下世話な言い方だとエロく歌える人。

曲は全体的にフラットな、やや「のってり」した感じだけど、
「MOMO」の歌い方を考えるとこういった曲が最も合ってるのかもしれない。
「I’ve」での「DROWNING」(MOMO)なんかとはまた違った彼女を聴けるのは嬉しい。

あと「Close to you」(霜月はるか+片霧烈火)。
両者のファンには申し訳ないが、どっちがどっちだが区別がつかん。
ただそれを除けば非常に息の合ったツイン・ボーカルが中々に心地よくてこちらも○。

惜しむらくは根本的に歌唱力に文句を言いたくなる点かな。
キツい言い方だけど歌を歌ってお金取るならもちっと腹筋鍛えようぜ(
何様なんだ)。
持ってるものは悪くないし、それぞれ声質も個性があるからレベル・アップすればもっと活躍出来るはず。

また「みんのうた」(片霧烈火)も書こう。良くも悪くも彼女らしいアルバムだったと思うし。

ただ救いというか何というか、「Close to you」ってボーカリスト泣かせだな、とも思う。
非常に高い音域で、かつ安定した発声を求められるので、少しでもそれが揺らぐと一気に目立ってしまう。
他の曲が全体的かつ基本的にカラオケにも向いているのだが、この曲はツイン・ボーカル云々を除いても歌い手を選ぶなぁ。

曲がまたギター・サウンドが前面なロック風味。
ロックでも2人の声質が極端にポップ寄りで、そのアンバランスさも美味。
そういう意味で「wata」を含めた3人の息はとても良く合っていると思うし、同人の良さでもあると思う。

というイチ・ファンからの紹介文()でした。

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第188回1月7日(金)
はじまりがあるからこそ、終わりがある。それは、儀式みたいなものだろう。

例えば心身ともに絶好調時のイチローは、
高校生同士の野球に混じったら打率はどれくらいだろうか。
バカげた想像であるし、挙げる数字はどれも架空の代物に過ぎないのだが、
個人的にその数字はやはり7割から、下手をすれば9割くらい打ってしまうのではないかと思う。

野球では、どれほど優れた打者でも10割は打てない。
どれほど緻密なバット・コントロールをもってしても、野手の真正面に行くこともある。

この「非常に優れているが、完璧ではない」、という数字を頭に入れておいて欲しい。

話は変わるが、2004年の音楽大賞は、ちゃんとは書かない。
そこそこ問い合わせというか反響をいただくので簡単なのは書くかもしれないが。
それでも、今フッと考えてみて、CD単位でならやっぱり「角砂糖」(村上ユカ)にするだろうと思う。

そして曲単位。これはもっと簡単で何も悩まない。

「小さなてのひら」(riya)だ。

PCゲーム「CLANNAD」のED曲であり、
作詞・作曲は麻枝准、編曲は戸越まごめというクレジット。
昨年の5月にクリアした時、「今年はこの曲以上は無いだろうな」と覚悟した。
結局現実としてもそうなったわけだが、ただこの曲はゲームそのものと分離することが出来ない。

プレイした人間の大半は、この曲と同時にゲーム場面が流れるだろう。
その数、もしくは比率は非常に大きいはずだ。自信が持てる。それほどのゲームだった。

それが「非常に優れているが、完璧ではない」程度だと思う。

万人がこの曲に深く魅入られたわけではないと思う。
だがそれでも、思い描いたその比率くらいの人間は、深く心に残ったはずだ。

どういう曲かは、ここでは書かない。
そしてゲームに興味のない方は、上記は忘れていい。
ゲームに触れずにこの曲に触れるのは個人的には「不幸」という表現を使う。

ほとんど半壊したような精神状態で聴くことを強制され、
そしてそれが作り手側の思惑に見事に合致する。それが「key」の作品だ。

「ソララド・アペンド」(riya)の「アペンド」とは、「添える」、あるいは「付加」という意味だ。
この作品はやはり以前に発売された「ソララド」という作品の続編的な意味合いでこの年末に発売された。

その「ソララド」がまた、強烈に優れた作品だった。
この作品に関してはゲームは関係ない。良質な音楽として楽しんでいい。
「CLANNAD」で使用されたBGMを「
Little wing」の「まにょっ」と「たくまる」がボーカライズ。
全6曲を2人が半分ずつ編曲し、ボーカルはこの「CLANNAD」で一気にその名を知らしめた「riya」が担当した。

「ソララド・アペンド」は前作と何が大きく違うかというと、
もちろん個人的にという前提はあれどゲームに対しての依存度ではないかと思う。
前作はゲームをプレイしなくても構わない。ほとんど弊害はない。だが、「ソララド・アペンド」は違う、と感じた。

それが顕著なのが「遥かな年月」をボーカライズした「ひとひらの桜」だ。

作詞、麻枝准。オリジナルBGMも麻枝准。編曲は「たくまる」というクレジット。
この曲でようやく「恋心」(Lia)以来、麻枝准を作詞家として好きになれるかもしれないと思った。
ただ淡々と、そして今までの彼にありがちだった独り善がりな側面がほとんど感じられない。ただ言葉が魅力的だ。

ただしこれはゲームをプレイしていなければならない。
「CLANNAD」がどういう作品であったかを考えれば、この詩はたまらなく切なく、愛しい。

そして終盤で不意に入る総勢10名によるコーラス。
多分、ここで渚の卒業式を思い浮かべてしまうのではないだろうか。
それがいいことなのかそうでないのか、正しいことなのかそうでないのかは、解らない。

ただ、瞬時に脳裏をよぎったのが、あの場面だった。

「CLANNAD」に関しては、ゲームそのものの感想を少しずつ書きたいなと思っていたが、
そう思いつつもう半年以上が過ぎてしまった。それでも今もなお、ちゃんと思ってることを書ける気がしない。

「ひとひらの桜」以外の曲も含めてまた後日。
もしかすると先に「memento」(key)を書くかもだけど。
しかし「key」の音に関しては知らず知らずに固く書いちゃうなー。
ほとんど反省しか残らないし伝えたいことのどれほどが伝わるかも微妙だし。

「MIXED UP」(I’ve)も「enigmatic」(Lia)も聴かなきゃ・・・。

嬉しい悩みだなぁ。

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第189回1月11日(火)
優しさの終わりにあるものを思えば、人は強くなれる。

「I’ve」の楽曲を歌うボーカリストの中で、
かつ歌唱力の最も高い、という歌い手は文句なく「MAKO」だと思う。
「Treating 2U〜wrap up style〜」(I’ve)なんかで一気に名前が知れ渡ったボーカリスト。

今回、「MIXED UP」(I’ve)で久々に歌声が聴けるなぁ、と期待した。
しかも楽曲が「See You〜小さな永遠〜」で、リアレンジが「FISH TONE」こと中坪敦彦。
とはいえ実は期待より不安の方が大きかった。「See You」は大人数による多重ボーカル&コーラスな曲だったから。

あと「See You」という楽曲の「I’ve」における意味合いという点でも不安だった。
この曲は個人的に「それ以前、それ以後」に分けられる非常に重要な曲で、もちろん人気も高い。
高瀬一矢がスタジオに「I’ve」に縁のあるボーカリストを呼び寄せて歌わせた、というのを何かの記事で読んだが、
なるほど、P.Vとしては取り上げられたが数年経った今でもコンピCDに入りそうにないところを見るとよほど思い入れの強い曲なのだろう。

それが今回、「FISH TONE」アレンジで、しかもボーカルが「MAKO」。

・・・。

死んだ。マジすげぇ。
圧倒敵なまでの質量と、懐の深さ。
他の「I’ve」のボーカリストとはレベルが1枚も2枚も違う。
声質や歌い方に難を感じる人もいるとは思うが、力量としては話にならない。

歌える楽曲が限られてしまうのが残念だが、この人はプロだよね?
「KOTOKO」よりもよほどボーカリストとして魅力的だし、こと「歌」に関してはファンに申し訳ないが話にならない。

個人的に「KOTOKO」も好きか嫌いかと問われれば好きだが、歌がすごく上手いとは1度も思ったことはない。

ただこれは「I’ve」のボーカリストすべてに言える。
みんなそれほど歌が上手いわけじゃない。もちろん下手でもないが。
もっと違うところに魅力があるのであって、そこを推さないとダメだと思う。歌で推すのは無謀。

しかし、すごい。この曲だけでこのCDの価値を償却できたとすら思う。
最も、このCDでなら「Close to me・・・」(怜奈)が1番好きだったりするから始末に終えないが。

「See You」をちゃんと1人で歌うんだなぁ。
原曲よりこっちのが好みかもしれない。こりゃすごい。ただ降参だ。
元々アレンジャーとしては「I’ve」でなら中坪さんの音楽が1番好きではあったんだが、
今回はオーソドックスに、しかしよりボーカリストに依存した曲構成でプロとしての凄みすら感じてしまう。

惜しむらくは相変わらずの入手の困難さ。
特にこの冬コミでの「ビジュアル・アーツ」の凄惨さはひどかったらしい。
この辺に文句を言える立場にないので書かないが、もっとどうにかした方がいいと思うぞマジで。

ちなみにネット・オークションだと¥4,000〜6,000程度。
販売価格が¥2,000なのでこの値段は交通費を考えても微妙かもしないが、
そもそもこのCDを¥2,000で売る、ということ自体天下にケンカを売っている。叩き売りというより投売り。

全10曲のボーカルCD、しかもこのメロディアスさとアレンジの遊び心。

¥6,000だって全然高いとは思わん。

が、それが信者の戯言であり、こんな人間がいるから転売目的での購入が後を絶たんのだろう。

「Cross Talk」の詩月カオリボーカルも美味だなぁ。
元々この曲は「I’ve」の中でも最も魅力的なメロディ・ラインを持つ曲だけど。

「ソララド・アペンド」、「memento」よりCD1枚としての魅力ならこっちのが上。

そもそも楽曲の素地が違うわ。

あまりにプロっぽさが前面に出てるのを嫌うならともかく。

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第190回2月17日(木)
学ぶことは多くある。限りなくある。果てはない。だからこそ、尊い。

わ、気がつけば1ヶ月以上放置ですか・・・。
音のテキストは、書くこと自体は好きなんだけど、結構辛いものも多い。
何しろ自分に音に関しての経験、知識がほぼ皆無に近いのが一発で露呈されると思うからだ。

や、本音は「そんなことないですよ」と言って欲しい浅ましい自己顕示欲なんだが、それでもそう思う。

普段音を聴いていると、ほぼ100%、例外なく「これを音のところに書こう」と思う。
思うし、どう書くかも頭に浮かぶし、それを自分なりに推敲して、完成形がザーッと脳裏で描かれる。
だが、いざそれをテキスト・エディタを前にして書けるかというと、一気にテンションが消沈する。もう面白いくらいに、だ。

もう1度書くが、ここまでの愚痴は「そんなことないですよ」と言って欲しいだけなので常人は無視するように。

さて最近聴いてこれまでに書いてない作品。

「enigmatic LIA」(LIA)

「MADLAX O.S.T.1」(梶浦由紀)

「overclockers」(touch trax)

「”...SPLIT”revealed」(NueroSocietia)

「memento」(V.A)

「Voyage」(いのり)

多分思い出せないだけで他にもそこそこ数は聴いてるはずだが、
しかしアニメ・ゲーム系ばかり聴いてるなぁ。普段は「MIXED UP」(I’ve)だし。
まあ傾向は去年の夏くらいからずっとな気がする。以前に比べると驚くほど音を聴かなくなったな。

てかクラシックのDVD観たいよ!マイPS2ではDVD観れないよ!ナゼ!?

・・・。

大昔に買ったウタダのPV集DVDも観たいよ・・・。

うーん。

とりあえず、上記6枚の中だったら「MADLAX」のサントラかな。

んではまた(終わり!?

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第191回3月4日(金)
気付いてはいる。それを是正できるだけの覚悟と、能力が足りないだけで。

というわけで「memento」(V.A)です今回。
これは「ソララド・アペンド」(riya)とセットで去年の冬コミで発売された。
なかなかこの冬コミは凄惨を極めたようで、現地へ行った方に話を聞くとそれはもうひどい、と。

まあこういう売り方に今更どうこう言うつもりはないが、
手に入れた者でも若干罪悪感というほどではないが後味が悪いぞ。
商品の性質が性質だけに「最初から一般販売しろ」といえないのも事実なんだが、
それでもフォローというか後処理が実にざんばら。実と花と両方取れないでもその努力はすべき。

さて、作品自体のお話というか感想だけど、
2枚組み全17曲?くらいだったと思うけど、のアレンジ・アルバム。
さすがにオフィシャルな「key」ということもあって、クオリティは保証済みとしていいと思う。

ただ、位置づけが「「CLANNAD」を楽しんだ人用」なので、
例えば「ソララド」(riya)のように「ゲームに無関心な人でも」ではないと思う。
リアレンジ盤なので、原曲との比較を楽しめてこそ、という部分を否定できないと思うのだ。

「CLANNAD」の楽曲のいくつかをプロの音屋が1人1曲自分なりのアレンジをし、それを集めた作品。

これはどう考えても「CLANNAD」を、ゲームとして楽しむことが前提だと思うのだが、どうだろうか。

だからこそ「ソララド」のクオリティが異常であり、奇異であったと思う。
あれはそういう部分が、もちろんないわけではないのだが、非常に希薄に感じる。
その姿勢が「CLANNAD」のファンにとって望まれるものかどうかは判断しかねるところだが、
個人的には紹介しやすい作品であるので好印象だ。そもそもが補完ではなくお楽しみ的な作品なのだし。

この「memento」もお楽しみ的な作品であり、
こういう言い方が正しいかどうかは解らないが、ファンによるアルバム、っぽい。
の割りにゲーム音楽界で名の通ったクリエイターが何名も名を連ねているところが「key」だとも思うが。

各曲の感想なりは次回に書きたい。

や、別に引っ張るわけじゃないよ?

・・・

牧場主は謝らないからなッ!(?)。

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第192回4月13日(水)
私はただ光の中へと進んでいるだけ。

なぜここは月イチ更新になるのか。
てか日記以外ほほとんどが凍結中な気がしなくもない。
要望があった場合は覚えているので、気長に待つか突付いてくだされ。

さて「memento」(key)。
アーティスト・クレジットは「V.A」だろうが、
そもそも購買層を考えるともう「key」でもいい気がしなくもない。

この作品は、PCゲーム「CLANNAD」の云々、というの前回参照。
やっぱり良い意味で同人っぽいので、サントラと違い肩肘張らずに聴けるのは良いと思う。
そもそもアレンジャーが、おそらくはこの道で飯食ってる人だと思うので、ファン・アイテムにしては質が高い。

販売は「ソララド・アペンド」(riya)とセットで¥3,000。
個人的に音楽作品というのはトータル・パフォーマンスを考えるので、
この2枚でこの値段だったら、諸手を上げて「良い買い物」であると断言できる。
もちろん入手方法とか、それに至るまでの苦労などを考えると微妙なところではあるけど。

個人的には「同じ高みへ」の折戸伸治版が印象深い。
よくこの人は「発注はないがトランスを作るのが好き」と公言しているように、
今ではブーム(
)は去ったが4つ打ち進行でサイケとまではいかないトランス・ミュージック。

何が印象深いって、この曲をトランス・アレンジするのがもう。
原曲の作曲は「key」こと麻枝准で、この人の曲はとにかくサビが鋭すぎる。
おそらく1曲に相当の時間をかけているせいだろうが、全体的な世界観に揺るぎもない。

特にこの「同じ高みへ」は人気も高いはずだが、
それを惜しげもなくこういったアレンジをやってのける折戸伸治に乾杯。
ゲーム内で特徴的に使われたサビを基軸として、それ以外はもう折戸さんの趣味満開。
この「memento」中、最も原曲と乖離した曲だが、それでいて納得させうるだけの質は確保されている。

あとOP曲である「メグメル」のアレンジも好き。

今流しながら書いていたならもう少しちゃんとしたテキスト書けるんだが、
もう記憶だけを頼りに書いてるので今度こそちゃんと流しながら詳しく書きたいと思う。

次はちと納得いかないというか「?」な部分を。

それほど回数を聴かないのにはちゃんと理由もあるし。

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第193回4月26日(火)
家族は仲の良いものだと思っている人もいれば、そうでない人だっているのさ。

たまーに日記以外のコンテンツを覗いてみると、次のためのネタを振ってあるのね・・・。

で、もういい加減に引っ張り倒した「memento」(key)だけど、
これ系の作品(
)にしては聴いた回数、つまり累計分数は驚くほど少ないと思う。
もちろん正確に計測することなんて出来ないが、感覚として「あ〜、あんまり聴いてないな」と感じる。

なぜだろう、と考えてみるんだが、ヴァラエティに富みすぎているのかも。

言い換えるなら、作品に一貫しての統一性が無い。

「CLANNAD」の、という括りはもちろんあるが、
選曲にテーマが無い、アレンジャーに一存されているので、バラバラ。
1曲ごとにアレンジャーが異なるので、「ソララド」(riya)のようなキチンとした筋も通ってない。

同人というか、音のファンディスク、という扱いなのでこれでいいんだろうけど・・・。

不平不満を言う以上、「こうして欲しかった」的な要望も書こう。
まず曲数を減らして2枚組みではなく1枚組みにして欲しかったな、と思う。
これはボリュームとして「?」と感じる人もいると思う。むしろ2枚組みのほうが喜ばれるはず。

でも牧場主はこれほどの曲数は正直に蛇足だと感じる。

アレンジャーのそれぞれの力量は疑わない。
曲を1曲ずつしっかりと聴いていけば、パフォーマンスは極めて高い。
それでも個人的にこの作品に個性を感じないのは、やはり「よく解らない」作品になってしまうからだ。

魅力的ではあるが、没個性だと感じる。

なんだかコンビニの幕の内弁当、という印象を持つ。

これで最後のボーカル曲が腰を抜かすほど魅力的なら、逆に1本の芯が通る。
その曲を軸にして、合計2枚の豊富なボリュームでも、まとめあげることができたのだろうと思う。

ただ、そうでもなかった・・・。

つか、好きな人には申し訳ないんだが、2〜3回聴いただけでちと頓挫。

解る。とてもよく解るんだ。この人は、「CLANNAD」という作品がとても好きなんだろう。

だからこそ、それが重い。あまりにも重すぎる。

非常に悪辣な言い方をしよう。

「その愛情が独り善がりに過ぎない」とすら感じる。

この人の作品に対しての愛情がプラスの磁力なら、ファンの作品に対しての愛情もプラスになる。

お気楽なファン・アイテムなのにファンである牧場主が敬遠してしまう原因の大半が、あの曲にある。

曲の質が悪いといってるのではない。
「riya」のボーカルはとても活きていると思うし、非常に丁寧な曲だ。
ただ、そういう良いところが思い出さないといけないほどに、副次的なものでも、悪い印象がある。

価格分の価値は十二分にある。
だが、「key」のその他の音楽作品は、もっと費用対効果は高い。

イチローが3割ちょっとでシーズンを終えてもファンは文句を言う。

なんかそんな感じ。

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第194回6月10日(金)
どうして理解できないからといってそれは悪だと決め付けるの。あなたのその姿勢こそが、悪なのに。

今回は「ループ」(坂本真綾)と「創聖のアクエリオン」(AKINO)かな、と思ってた。

1ヶ月以上放置しておいて「今回は」もほんまかいなも無いと思うが()。
これで今年に入って8回目の更新か。この頻度が多いのか少ないのかすら解らないのもどうか。

今日、FMを聞いていると「ラブ・パレード」(オレンジレンジ)が流れてきた。
普段なら即刻FMからCDに変える。好きな方には申し訳ないが、どうしても「?」な音楽だからだ。
ただ、やはり聴かずに悪く言うのは気が引けるというか、バカのすることなので、ちゃんと数分間、耳を澄まして聴いた。

まず、なぜ好きになれないんだろう。
正確には好きじゃないとか嫌い、というのではなくて、
「これほどまでに売れる理由が個人的によく解らない」、というところか。

しかし、1曲を通して聴くと、なんとなくわかる。

・サビがキャッチーである

要するにサビだけが解りやすく、すぐに覚えられる。
昔に比べて膨大な数の楽曲が溢れる昨今、ここで推せないとダメだ。

・カラオケ向きである

上記と通じる。今、歌えない曲は売れない。
主な購買層が若い世代である以上、この2つは絶対条件だ。
ノリが良いか、もしくは歌っていて悦に入れるほどのバラード。基本的にこの2つ。

・歌詞が今風

今風、というのはどうかと思うが、
要するに「時代に迎合できているリリック」ということ。
まったく美しさは無いが、悪く言えば誰にでも理解できるので賛同しやすい。

・全体的にスカスカ

これ、悪い意味じゃない。
あんまり芯が通り過ぎてると敬遠される風潮がある。
違う表現で言い換えるなら、「バカ過ぎないバカ」といってもいいかもしれない。

「オレンジレンジ」ってこれらを全て満たしてるのね。
だから必然的に売れる。これを意図的にやってるのなら大したものだが。

今では消えてなくなったらしい「びじある系」が流行った一昔前より「音楽性」に聴く人間の耳が向いてる分、マシなのかもね。

あと「歌が上手くない」という点も入れようかと思ったが、これは違うか。
そもそも「オレンジレンジ」って何人いるのか知らないけど、やってることは1〜3人で賄える。
売れるのは構わないし、ちゃんと考えるとその理由も解る。でも、絶対に好きになれない音楽性なのは好みの問題。

牧場主は「インテリがやるバカ」は大好き。
同じ土俵に乗せていいかは解らないけど、「I’ve」のデンパ曲がそう。
おそらくテクノ聴きだと解るんだけど、全体的に構築された音の配置の上手さは郡を抜いていると思う。

それを凄まじい曲調や歌詞、アニメ風に歌うことによるデコレーションがたまらなく惹きつける。

だからそれを外れたただのアホ歌にはヘドが出るというか、死んでいただきたいとすら思うけど。

でもねぇ。「オレンジレンジ」にインテリジェンスは感じない。
感じる人もいるだろうし、ちゃんと知ったわけではないから強く言えないんだが、
どうしても、それがどういう曲調の曲であっても「ダルい」印象が拭えない。まあ、これも好みの話だけど。

100人いたら100人ともが好きになる楽曲というのは、それは音楽に限らず、アーティスティックな世界において、存在しない。

最近、この根底的な事実を知らないのか考えたこともないのか、オカシな人間が音楽業界に多くて嫌になる。

その分、音楽性を犠牲にしてタイアップだけでCDの数を捌く「avex」は、商売としては非常に素晴らしい。

だがあそこに所属してる人は、もう「音楽性」について追求する、向上する意欲が見えない。

まだ「オレンジレンジ」の方が何億倍も「音楽」やってると思う。

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第195回6月16日(木)
どうしていいかわからない場合のほとんどは、どうしようもない事態に陥っている。

なんだかんだで頻繁に聴いた「ループ」(坂本真綾)。
どうだろう、プロデュースどころかクレジットの一切から菅野よう子の名前が消えた意欲作。
思い切ったことをするなぁ、と思ったが、まだ将来性もある以上、ただ1人のアーティストにぶら下がりっぱなしも良くないだろう。

結論から語るなら、ああ、良い曲だなぁと思う。ボーカル、詩、曲、アレンジ、演奏と全ての要素でソツがない。
1曲の完成度としては文句のないクオリティだと思うし、脱・菅野でのデビューということを考えると、非常に意義のある作品だ。
正直なところ、やはり半信半疑というか興味半分不安半分というのが先入観だった。おそらくはある程度以上の人間がそういう思いだったと思う。

坂本真綾の特筆すべきところは、デビューからずっと成長を続けている点だ。
1stから2nd、3rdと作品を重ねるにつれて歌唱力が伸びてきている。だからこそ今の地位があるのだろう。
逆に言うと、アルバムとして、楽曲群のレベルが明らかに最も高い2ndアルバム「DIVE」なんかを今歌ってくれれば、というのは贅沢か。

ただ前作「少年アリス」でも何曲かあったが、作詞という点については閉口。
書きたいんだろうし、ファンもそれを望むのだろうが、100%岩里祐穂の模倣になってしまっている。
これはずっと彼女の作詞曲を歌ってきた以上仕方ないんだろうが、詩はプロに任せていい。文体云々ではなく、個性がない。

今回、楽曲は坂本真綾本人の伸びやかで力強い部分を強調して作られている。
万能というか、おそらく今の彼女ならばどんな曲でも歌い切れるだけの実力を備えているとは思うが、
これまでの彼女を知るファンが最もイメージする「坂本真綾らしい楽曲」であり、この曲を不満に思うファンは少ないだろう。

あえて揚げ足を取るとするなら、やはり良い意味での毒がない。
菅野よう子の楽曲にある、想定の範囲外(
死語)の仕掛けがない分、つまらない印象を受けるかもしれない。

難しいところだとは思う。
菅野よう子の楽曲は決して万人向けではない。
良い意味でも悪い意味でもインパクト過多な分、敬遠する人間もいるだろう。

要するにトレード・オフなんだな。
何かを得ようとするなら何かは諦めなければならない。
だから個人的にはこれで満足だし、価格分の価値は間違いなく保証できる。

だからほぼ同時に聴いた「創聖のアクエリオン」(AKINO)との対比がとても面白かった。

この毒々しさったら!)。

この曲はボーカリストが可哀想ですね。

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第196回7月5日(火)
悩んでいるときって楽だよね。そこに終始していられるから。

本人は1週間に1回くらいの頻度で書いてるつもりなのに軽く2週間。

あまり考えないことにしたい

さて今回用意できるお題は3つ。

Dilettante」(ALI−PROJECT)と「硝子の靡風」(KOTOKO)、あとは「Dear My Friend」(大藤史)。

一応菅野よう子のサントラもあるんだけど、まだ聴けてないのでまた今度。
3点の中からどれにしようか、厳密にはどれにすれば反響をいただけるかを考えてみた。

うーん、やっぱり「KOTOKO」か。
どうなんだろう、ちゃんと売れているのだろうか。
一時ほどのムーヴメントではないように思えてしまうんだけども。
良い意味なのか悪い意味なのか、発売に際して盛り上がってる印象が無い。

内容に関しては「I’ve」プロデュース、の一言で片付けていいんだけど、
どうも1stも含めて「メジャー市場に評価されること」に着眼しすぎているような印象も受けてしまう。
確かに元々「I’ve」はエロゲの主題歌を提供してきた集団であるし、ある程度は広い視野に向けての製作なんだろうと思う。

ただ、どうだろう。個人的な思い過ごしなのだろうか、1stも2ndも面白くない。

確かに1枚のCDとしてはまったく文句は無い。
テクノ・ベースでトランスっぽく、4つ打ち主体のポップ・ミュージック。
こういう表現がどうかとは思うが、「今風」の音楽であり、現在のJ−POPシーンの主体でもある。

ただ、インパクトがない。「ああ、「KOTOKO」だな」で終わってしまう。

歌はまあ上手い方だと思う。
上手い方というか、お金取ってもいいレベルだろう。
実は彼女、ソング・ライティング能力も備えており、侮れない部分もある。

ただ、なんだろう。やっぱり個性の問題なのだろうか。
「I’ve」のボーカリストで最も華があるのは彼女だと思う。だからメジャー1番手だった。
エロゲ市場がメインだった頃は華など必要なかった。ファンが独自でそれを形成し、あるいは錯覚していくからだ。

ただ、一気にメジャーを市場に移した場合、下手をすると「ああ、アニメの声優?」で終わりかねない。

だからこそ、現状の邦楽の主流にあえて乗せた作風なのではないかと勘ぐってしまう。

メイン・プロデューサーの高瀬一矢をシェフとした場合、
彼は「KOTOKO」という食材を使って、どんな料理も作ることが出来る。
客の要望する料理を提供することも出来るし、誰も食べたことの無い料理を作ることもある。

和食、洋食、中華、イタリアンなど、そのレパートリーは未だに客に対して底を見せていない。

なのにずっと和食ばかり、中華ばかり作っているような気がする。
美味しいんだけど、もっと色んなもの作れるでしょ、食材の違う魅力を引き出せるでしょ、と思う。

確かに、今のどっかのレーベルは客から「餃子が美味かった」と言われれば餃子ばかり作る。
同じ中華としても他の料理は作らない。飽きられるまで餃子、餃子、餃子だ。そういうのに比べるとまだマシだとは思う。

でもやはり、ファンとしては少し納得がいかない。

この料理の価格は妥当だと思う。
でも、価格に対して大満足、というほどの評価は出来ない。
これを機に、という作品でもなかった以上、今後もこの路線が続いていくんだろう。

不満ではあるものの、それを望むファンも多いであろうことも容易に想像できる。

難しいね。ただインディーズからメジャーへ、というものではないのが余計だ。

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第197回7月26日(火)
どうか私を想うようなことはしないで欲しい。一頻り泣けば、また元に戻れるのだから。

ネタの投下を切望するのはどのコンテンツよりもここ()。

今回のお題は「Dear My Friend」(大藤史)。
昔っからのファンなんだけど、おそらく知らない人が大半だろうなぁ、と思う。
この大藤史と大津美紀の女性シンガー・ソングライターはフル・アルバムをずっと待ってたんだけど、ようやく。

多分「季節を抱きしめて」を歌っていた人、というのが一番通りがいいんじゃないかな。
まあこのゲーム自体がもう6〜7年くらい前のものだけど。ってゲーム1998年か。もうそんなになるんだなぁ・・・。
その後もTVアニメの方の「ポポロクロイス物語」のEDや挿入歌や、いくつかのゲームの主題歌を歌ったりと、名前はそこそこ目にしていた。

それらをほぼすべて網羅したのがこの1stアルバムの「Dear My Friend」、というわけ。

声や歌い方はすごく好きな部類に入る。
言い方は悪いが「普通に上手い」。大人びた落ち着きがある。
少なくとも「歌」でお金取るならこれくらいの力量がないと。最近アホばっかりだしなぁ(
暴言)。

ただ、「華」、つまり「華やかさ」が足りない。
年齢的なものもあるんだと思うけど、もう一押しがあればな、と思う。
こういう女性シンガー・ソングライターは昨今、玉石混淆、吐いて棄てるほどいるのが現状。
そりゃ確かに、売り手側の「歌なんてどうでもいいから。笑ってればそれでいいから」なアーティスト気取りも腐るほどいる。

その中で彼女はちゃんと作詞、作曲、歌で勝負に出ている。それは好感が持てる。

だからこそ、この「何かが足りない感」がすごくもどかしいんだ。
知らない人へいうと、大まかなくくりでは岡本真夜とか「ZARD」とか、その辺を想起すればいいと思う。
ちゃんと上手い(
「ZARD」が魅力的だとは個人的には思えないがそれは別の話)んだけど、悪く言ってしまえば個性を感じないと思う人も多いだろう。

でも、繰り返すけどもすごく好きなんだ、この人。
たぶんトラック・メイキングにかかわってなくても、「歌い手」としてCD買ったと思う。
あの上野洋子のような母性と毒々しさを併せ持った危険な香りはしないし、古内東子のような奥深さや恐さも無い。
でも裏表の無い清廉さ、懐かしさすら感じる緩やかな唄い方、ただまっすぐ小細工の無い「歌」を彼女は歌い続けているから、そこに魅力を感じるんだろう。

この「Dear My Friend」、シークレット・トラック2曲を含む全16曲。
しかも新曲を含んでほぼすべてが新録、リマスタリングで、このボリュームならオススメ、といいたいんだけど、
これDVDがついて¥4,000くらいするんだよね。DVDなんかなくて¥3,000くらいなら胸を張って「あなたにもオススメ!」とするんだけど・・・。

DVDは観てない、というかよほどのことがないと観ないから内容や価値は解らないけど、
おそらく「女性シンガー・ソングライター」というカテゴリーにアンテナが立ってる人なら好きになれるんじゃないかと思う。

特にTVアニメ「ポポロクロイス物語」の挿入歌でファンの間で名曲と名高い「わたしぼっち」が収録されてたのは嬉しかった。

しかもシークレット・トラックの1曲はこの「わたしぼっち」の(以下は削除されました)。

逆に残念なのは個人的に大好きな「With You」が入ってなかったこと。
マキシ・シングル「泣いていいよ」のc/wで、「泣いていいよ」が入ってるならこれも入れて欲しかったよ・・・。

まあ「季節を抱きしめて」、「わたしぼっち」、そして彼女の持ち歌で一番好きな「風の魔法」はちゃんと入っていて満足は満足だけど。

特に「ポポロクロイス物語」のED曲「風の魔法」はアコースティックVer.も入っているのが嬉しい。

あとは大津美紀だなぁ。この人はボーカリストとしてより作曲家としての作品が結構多いからまだいいんだけどね。

次回は多分「創聖のアクエリオン O.S.T.」(菅野よう子、保刈久明)かな。どうかな。

次回更新時にはまた新しいネタが手元にあるかもしれないし。

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第198回9月1日(木)
「世界」なんて広義、必要ない。ここにあるのはただの、「個」の存在だ。

さすがに「Love Song」(riya)がお題です。

「フルボーカル・コンセプト・アルバム」、帯にこうあった。
「フルボーカル」はそのままだが、違和感を感じたのは「コンセプト・アルバム」という方。
元々「
Key Sounds Label」はその名前の通り、PCゲームメーカー「key」から派生した、ここの音楽専門のレーベルだ。

ということはつまり、まず「明確なコンセプトありき」が先付けなのだと思っていた。
マキシの「Natukage/Nostalgia」(Lia)からはじまったレーベルだが、この作品はもちろん「AIR」が元だ。
このレーベルで出す以上、聴く者の大半はおそらく、どの作品であっても「key」が送り出したゲームそのものを回想するだろう。

「key」が時に麻枝准という1人の個人を指す名称である以上、現実的な話ではコンセプトが先付けだろうがどうであろうが、レーベルは変わらない。

ただ、そういった話ではなく、純粋に、ゲームとは何ら関係の無い作品を、フルボーカルで発表する、というところに違和感を感じた。

違和感という言葉を用いたが、決して悪いニュアンスではない。
これは言い換えるなら不安、としてもいい。ゲーム作品という後ろ盾がないからだ。
おそらくこういった作品を買うのは、「key」のゲームをプレイし、良い評価・印象を残した者になるはず。
となれば、やはりそのゲームをコンセプトとした作品であったほうが、聴く者の耳を誤魔化せる。ゲームが美化してくれるからだ。

しかし「Love Song」はそうではなかった。

純粋に、麻枝准の音楽観をストレートに表した作品である。

そこに違和感という不安を感じたのは間違いない。
正直、音楽作ってないで「key」としての新作に携わっていて欲しいところだが。
「AIR」にしても「CLANNAD」にしても、「必殺の一撃」のような楽曲をピンポイントで披露してきたが、
それはやはり「ゲーム作品による聴覚への具現化」であったと思う以上、これまでのマキシでないオリジナル・アルバムは未知なのだ。

時々思うことがある。

「青空」(Lia)にしろ、「小さなてのひら」(riya)にしろ、
それぞれ「AIR」や「CLANNAD」をプレイせずに耳にすると、果たしてどう聴こえるのだろうか。
個人的にはそれは全力を持って阻止するし、やはりゲームと併せてこそのあの魅力であるのだろうが、そこが一向に、想像もできないのだ。

「key」の音楽は麻枝准、折戸伸治、戸越まごめの3人で作られる。
しかし麻枝准以外の2人が音楽のプロで活動してきたのに対し、麻枝准はそそも「モノ書き」である。
本人も雑誌のインタビューなどで「元は音屋になりたかったが、実力的に無理なので、ゲームのシナリオを書いている」と言っていた。

それでも音屋として今の評価があるのはやはり「Kanon」から「CLANNAD」まででのパフォーマンスだが、
これは、もちろん楽曲単体の魅力もあるが、やはり繰り返しになるがシナリオ担当として、ファンを裏切らずにゲームの世界を具現化させたからだ。

この資質は、ゲーム製作に携わる人間としては1、2を争うのではないかと思っている。

それはつまり、自らが作ったゲーム作品に対しての愛情であったり、誇りであったりするのだろう。

そんな彼が、武器でもあり足かせでもあるその後ろ盾を用いず、音屋として、作品を作った。

それがこのアルバムだ。

曲の1つ1つに関してはまた機会を設けて書きたい。

ただ、このコンセプトは非常に真摯であり、忠実であると感じた。

「破滅に向かう”僕ら”の恋のうた」

破滅へと向かっているだろう、恋のうたでももちろんある。

ただ、この”僕ら”の部分が突出している。それはもう、聴く者をも拒絶せんばかりにまで。

しかし考えてみれば、それは彼お得意の世界観ではないか。
お得意という表現は良くない。愚直なまでに己を書ききった、今までの個性そのままなのだ。

麻枝准という個性が100%顕れている。

彼が「破滅に向かう”2人の”恋のうた」を書いたのではない。

おそらくは、出来上がったものが「破滅に向かう”2人の”恋のうた」だったのだろう。

あまりにも純度が高い。

そんな作品だと感じた。

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第199回10月18日(火)
君の望みを叶えよう。叶えられた望みが潰えるとしても。

今さらと石を投げられても「Love Song」(riya)のまとめ。
今は「Collective」(I’ve)ばかり聴いてるけど、それまではこればっかり聴いていた。
「ツバサ」のサントラも攻殻の新作も聴けてない。CDを入れ替えるのが面倒でついつい入ってるのをそのまま・・・。

そっちの方が石投げられそうだな。

1曲目「始まりの坂」

どうしても「CLANNAD」を連想させる楽曲名。
緩やかなピアノとさりげないストリングスでただ「riya」の歌を前に出した作品。
ミックスは「たくまる」も打ち込みとアレンジが「riya」。ボーカリストとしてもかなり好きな人なんだが器用だなぁ・・・。

歌詞はわかんない。麻枝准の詩は、基本的にほとんどが共感できない。
ただ「CLANNAD」を持ち出すなら別なんだけど、おそらくそういう受け入れ方は望んでないんじゃないか。
淡々とした、ひどくフラットな印象を受けるけど、導入という意味では十分に役割を果たしてるんじゃないかと。全13曲、曲順はすごく練られてる。

2曲目「蒼の夢」

イントロ聴いた時はクレジットを疑った。
麻枝准がこういったアグレッシヴな曲を作るなんて、と。
でも多分この爆発的なアレンジは「たくまる」の演出だろうな。そんな気がする。

歌詞の一部に「恋心」(Lia)に似てる部分があって興味深い。
「riya」が声質の割りに器用なので、こういう楽曲も気後れせず歌いきれるのは立派。

3曲目「星なる石」

おそらく1〜2を争うほどに好き。
やたらメルヘンだけどこれがまた彼女の声質に合う。
曲としては凡庸かもしれないけど、サビのコーラス・アレンジがとても美味。

全楽曲中最もカラオケ向きな曲だけど、そこがまたいい。
でも詩はやっぱりわかんない。というか麻枝准の詩の世界は良い意味で解りたくないとも思う。

4曲目「走る」

坂本真綾?(違います)。
とまあそれは置いといて、アレンジが「MANYO」。
実はこの曲に関してはなんかちょっと違和感というか、妙な印象を持ってしまう。

決して嫌いな曲調じゃないし、「MANYO」らしいな、とも思う。
でも、なんとなく、これは個人的にだけど、曲と「riya」のボーカルが融合していないように思える。
どっちが浮いてるとかそういう話ではないけれど、逆に別々にそれぞれを分けて聴くと良い曲なんだろうなぁ、という風に感じてしまう。

5曲目「百年の夏」

これは開始すぐに「麻枝准っぽい」と呟いた。
楽曲によっては独り善がりというかボーカリスト殺しな曲を書くけど、
この曲なんて麻枝准のイメージした世界観を具現化できるボーカリストは皆無なんじゃないか。

だから「たくまる」がどこまで「こちら側ま「引き寄せられたか」が気になる。
多分この曲が最も好きだという人は少ないだろうけど、「麻枝准らしい」という点では1〜2を争う気がする。
ちなみに「星なる石」の詩を「Kanon」、この曲を「AIR」だと感じた人は立派な信者か、もしくは患者。牧場主はそのどちらでもあるだろう。

6曲目「僕らの恋」

「アレンジ:麻枝准、たくまる」というところに驚く。
麻枝順は基本的にアレンジはしない人だと思ってたから、ここが一番の聴き所かな、と。
曲名からしてこちらに渡されたメッセージ性を考えると、この曲が13曲の中での楔になっているのかもしれない、というのは勘ぐり過ぎか。

ピアノ・アレンジがずいぶん軽やかだからだろうけど、曲は前向き。
でも歌詞がすごく後ろ向き。「僕らの恋」という楽曲名なのに「しょせん」という単語が出てくるのが麻枝准。
モノ書きをしたことのある人なら解ると思うけど、恋モノなんてバッド・エンド、悲恋前提のほうが圧倒的に書きやすい。そんなことを考えた。

7曲目「灰色の羽根」

真っ先に「羽」ではなく「羽根」であるところが気になった。
あとなんとなく「灰色同盟」を思い出してしまったのはイラストが安倍吉俊だからかな・・・。
「ソララド・アペンド」(riya)でもそうだけど、アレンジの「MANYO」は生ストリングスにこだわるなぁ。だからか、ちょっと浮いてる。

イントロとかすごく好きなんだけどなぁ。
あとこれは多分気のせいだろうけど、「riya」が歌い切ってない。
なんとなく「どう歌っていいかわからない」という不安な一面を受け取ってしまうんだけど・・・。

8曲目「グラモフォン」

「ラーゼフォン」の親戚(違います)。
アレンジの人は知らない人だけど、これはすごく良い曲だなぁ。
もはや「CLANNAD」を連想するなという方が無理な歌詞だけど、曲そのものがとても魅力的。

「riya」にこう、滔々と歌わせると非常に高い位置へ昇華する。
やっぱり歌詞は良くも悪くも麻枝准だけど、この曲に関してはシンプルだけどまとまってるので良いと思う。
楽曲全体が儚い、というかおぼろげな感じで、それが「riya」の声質や歌い方なんかと合致してるんだろう。この曲が最も好きという人は多いはず。

9曲目「神話」

サビ前提の曲だけど、これも人気ありそうだなぁ。
出来上がったサビを生かすのに、AメロもBメロもアレンジも必死な印象を受ける。
珍しくバンド・サウンドなんだけど、アレンジが巧み。だから色んな聴き方が出来ると思う。ソツない感じ、かな?

もはや歌詞は麻枝准がよりどこか遠いところへ行ってしまった気がしてならない。
支持する人はするだろうし、牧場主もこの人の信者ではあるけれど、これをメジャーというか一般で披露は出来ないと思う。

10曲目「氷時計」

たまに見かけるリフレイン押し切り型。
これを魅力的に出来るかどうかは、ボーカルとアレンジに委ねられる。
この場合は力量というよりも「好きかどうか」なので、否定的な人にとってはただ退屈でしかないのも事実。

でも全13曲もあると、こういう曲は必要なんだ、絶対。
あってもなくてもいいと思うけど、無かったら露骨に物足りなさを感じるはず。
これまでの曲は支持率は似通った曲ばかりだろうけど、この曲は真っ二つじゃないかな。そんな曲。

11曲目「折れない翼」

アレンジが麻枝准本人と「たくまる」。
4つ打ち主体、特異な楽曲構成、初めて印象付けたブレイク、
順番通りに聴いていくと、11曲目にして勝負してきた。おそらく、麻枝准本人も自信があるんだろう。

それにしっかり応える「riya」がいじらしい。
3分半からようやくはじまるサビは力強く、ケチのつけようがない。
ボーカリストの出番が少ない分物足りなさを感じるかもしれないが、この曲はこれが良い。
おそらく分数ほどのボリュームを感じないだろうが、それはつまり、そうさせただけのアレンジが上手いということだ。

12曲目「そして物語が終わる」

アルバム「Love Song」はここで一旦の終焉を迎える。

「始まり」がある以上、「終わり」も必ずある。
様式美の好きな麻枝准なら必ず「終わる」楽曲を持ってくるだろうと思っていた。
アルバム全楽曲中、最も時間がかかったか、もしくは最も短い時間で作られたか。この曲は間違いなくそのどちらかだろう。

おそらく麻枝准本人に聞けば、最も思い入れの強い曲は次の「Love Song」ではなく、この曲ではないだろうか。

惜しむようにフェード・アウトしていくコーラスが「終わり」を現しているように思える。さすがだな、と思った。

13曲目「Love Song」

表題曲であり、アレンジは「riya」。
おそらく、彼女を最も活かす曲を書けるのは麻枝准なのだろう。
この曲に関してはあまり多くをコメントすべきではない。個人的には、そう判断させていただく。

「いつの日かこの星はなくなってしまうだろう。その日までこのうたをうたってみせるから」

歌詞にあるこの言葉だけで十分だろうし、それ以上、それ以外は虚飾というものだ。

 

12曲と1曲。

偉そうに書いたが価格分のパフォーマンスは断言できる。
いや、おそらくこの内容でこの値段なら、安い買い物というべきなのだろう。
そうできないのは、牧場主が麻枝准という人物の信者である以上、客観的になれないからだ。

だから、今回のテキストは、必要以上に真に受けないでほしい。

そういう前置きをした上で、やはりこう締めるべきなのだろう。

「良いアルバムであった」、と。

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第200回12月2日(金)
光に彩られる薔薇の花。咲けど散れども薔薇の花。

うへぇ、1ヵ月半ぶり・・・。

言われないと更新しないのはマジックのところと同じだが、
あちらに比べてここは書くとほとんど必ず反響もらえるから、その分とても気後れしてしまう。
いや、もちろんとても嬉しいのですよ。特に好意的なものでなくても書いた以上はそれに対して責任も持ちたいし、持つべきだし。

今は「Destination」(FictionJunction YUUKA)を。
どうでもいいけど長いよアーティスト名。「FictionJunction」の「YUUKA」は解るけど。
「FictionJunction」はコンポーザー梶浦由記のソロ・プロジェクト名で、そこに「YUUKA」というボーカリストを使った形。

でもやっぱり書くのは長いから省略させて欲しい。

「JFK」とか(違います)。

梶浦由記の音楽にはじめて会ったのは「NOIR」というアニメのサントラ。
誰からか忘れたけど「なかなかいいよ」と紹介されたので1枚目を買ったらドツボにハマってすぐ2枚目も買った。
その後も「.hack」関連のアニメやゲーム、「MADLAX」や最近では「ツバサ・クロニクル」など、今では頻繁に名前を見かける超といってもいい大人気ぶり。

で、「Destination」。1周聴いた感想はイマイチだった。
なんか、こういう書き方は卑怯だけど、ピンと来ない。梶浦由紀っぽいし、歌もまあ上手いけど、もうひとつ。
11曲というボリュームも若干物足りないし、例えば「
FICTION」(梶浦由記)なんかと比べると楽曲のヴァラエティに欠けている印象を受けてしまった。

でも、それってとても贅沢だな、と周を重ねるごとに感じる。

まずどの楽曲も非常に丁寧に作られている。
「それが当たり前」とはいうものの、そういうアルバムって最近本当に見ない。
例えばサウンド・トラックなどはそういう部分があってもいいというと語弊があるが、仕方の無い部分はある。
だがボーカル・アルバムでは「捨て曲」なんて考えてみるととんでもない話で、そんな捨てられるものにお金を払ってるわけではないのだ。

それどころか「捨て曲」にすらならない箸にも棒にもかからない楽曲があって当たり前の昨今。

だがこの11曲に関して言うなら、しっかりと腰を据えて作られているなと感じる。
もちろん突き詰めれば聴く者の感受性の話だ、意にそぐわないメロディだってあるだろうし、もちろん牧場主にもある。
だがどの曲も適当に作られているわけではないと念を押したい。ボーカリストに関してはもはやこの際言葉は悪いがどうでもいい。梶浦由紀の作品だから。

この人の作品は、特にサントラに限って言うなら、とても淡白な印象を受ける。
どの曲も良いとは思うのだが、改めて全体の、CD1枚を通したイメージを思い出すと、悪い意味でフラットだと思うのだ。
菅野よう子のようなアヴァンギャルドさも奔放さも、予見できないようなトラップも無い。「テストではどの教科も平均点以上を出すが、これといった特性が無い」という感じ。

じゃあそれで作品としての価値が損なわれるのかというと、決してそうではないだろう。
こういうのがプロなんだと思うし、作詞・作曲・編曲にキーボード、コーラス、プログラミングとその鬼才ぶりはもっと賞賛されるべき。

音楽は「梶浦由記っぽい」という形容詞ができそうなほど特質。
ヴァイオリンなどのストリングスやフルートを思いっきり前面に出すと「ああ、この人だなぁ」と。
全体的に骨太というかがっつりした音楽なんだけど、やっぱりどこか女性的。アレンジが繊細で、A型なんじゃいかと(
)。

ゲームなどで言うと女戦士とかあんな感じ。やってることと本質が別というか。なにがなんだかよくわからんな。

好きな曲は順に「Nowhere」、「聖夜」、「ふたり」、「Nostalgia」、「Inside Your Heart」。

「暁の車」に関しては有名らしいから各々のお好みで。アニメでの使われ方はちょっと気になる。

個人的にはノン・ボーカル作品を、アニメなど制作上の制約なしで作って欲しい。

まあ、とても忙しい人なので無理だろうけど。

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