・菅野よう子

当牧場に於いて唯一「魔王」と形容している。
聴く者の予想の範囲を超えた、あらゆる方向からの超・長距離射撃と、
そして近接距離では抗う事がそもそも選択してとして存在しない犯罪級の攻撃力を持つ、つまり音の魔王。

言い換えるならば、もっと簡単。
「本人と聴く者の感受性が一切合致しない」となる。
音楽観という言葉は個人的によく解らないので感受性という言葉を使うが、
さらにもっと簡潔に、万人に通用する表現を用いるなら、言葉は好きではないが「天才」という一言で済む。

というよりは「天才」としか表現できないかも。
それほどに彼女の音楽は一歩も二歩も先を行き、そして斜め前にいる。
この距離感がたまらなく愛しく、そして中毒性を秘めており、聴く者の脳髄を侵し、浸透・洗脳は容易い。

好きな作品は「ブレンパワードO.S.T.1」。
あと「カウボーイ・ビバップ」のサントラ群はどれも外せない。
ボーカルならプロデュースを務める坂本真綾の「Lucy」がダントツに好き。

おそらく、という表現は要らない。一生ついていく。

・I’ve

「I’ve」とは音楽製作集団のことを指す。
北海道発、メンバーは4人で、全員がサウンド・プロデューサー。
高瀬一矢、中沢伴行、「FISH TONE」、「C.G.mix」の4名で構成されている。
主戦場はPCゲーム、それもアダルト・ゲームと呼ばれる18禁市場がそれに当たり、今では一大ムーヴメントを誇る。

音の特徴としてはいくつかあるが、
4人はほぼ一切前に出てこない、というものがある。
彼らは曲を作り、何人かの特定されたボーカリストがそれを歌う形を取る。
それぞがPCゲーム市場で活躍する以前からも様々な音楽ジャンルで名を馳せており、
特にTECNO、TRANCE関係においてはほとんど伝説とされる経歴を持っていたりするツワモノだ。

音の特徴はとにかく「解りやすく、メロディアスで、整合感が飛び抜けて高い」。
非常にポップ的でキャッチーであり、そしてロジカルな音作りをするので奥行きを楽しめる音楽。
表層的なメロディだけでもかなり楽しめるが、1つ1つの音を冷静に聴くと、配置された音の位置関係にただ舌を巻く。

好きな作品は2ndの「verge」。
そして現在では入手困難だが「dear feeling」。

基本的にトランス・テクノ。打ち込み主体でボーカリストの色を出させる。
知名度、という点に於いてははもちろん高くないが、それでも徐々にファンを獲得してきた。
何よりそれを証明させるのが女性ファンの存在で、市場的に絶対に存在しないはずの女性ファンが少なからず存在する。

当然ながらそれぞれのソロ名義アルバムも質は非常に高い。

・ZABADAK

1990年代半ばに解散した2人組。
メンバーは吉良知彦と上野洋子。一時3人組だったが。
それぞれが作曲・編曲・演奏・ボーカル・プロダクトをこなすまさにプロフェッショナル。

元々は吉良知彦個人のソロ・プロジェクトであったが、
サポート・メンバーだった上野洋子が途中から正式メンバーとなる。
当時からメジャーのポップス・シーンとは一線を画した無国籍な音楽が特徴であり、
特に両者によるツイン・ボーカルは聴く者を一瞬で魅了し、ただ口コミだけでその支持層を広げていった。

現在2人ともソロで音楽活動を続けている。
「ZABADAK」は吉良知彦のソロ・ユニットとなってしまったが、
やはりファンとしては上野洋子を加えての2人で「ZABADAK」なのだろうと思う。

「decede」、「peaces of the moon」の2枚は必聴。
吉良知彦個人なら「STORIES」から入ると解りやすいと思う。

一生を通じて影響を受けたアーティスト、というのは彼ら。これは死ぬまで変わらない。

・大津美紀

非常に優しいメロディ・ラインを構築する人。
シンガー・ソングライターでもあるが、プロデュースに回る事も多い。
「love letter」(飯塚雅弓)でアウト。「My wish」(同)も素晴らしい。本当に好きだ。

・Dream Sound Factory

正体は一切不明。個人なのか複数なのかも解らない。
発表したたった4枚のマキシ・シングルで終わってしまったようだが、
この4枚がすべて、驚くほど素晴らしく、伝説と形容される日は近いと確信している。

・BT

「ブライアン・トランソー」という個人名の略。
「Flaming June」を聴いて何も感じないのなら、何もいう事は無い。

・CHICANE

「SALT WATER」で号泣した。
今でも世界でいちばん美しい曲として牧場主の中にある。宝物。

・つじあやの

名盤「バランソ」が秀逸のシンガー・ソングライター。
下手すると「猫の歌の人でしょ?」で終わってしまうかもしれないが、
ハッキリ言ってしまうとそういった認知で終わらせるにはあまりにも勿体無いぞ。
あのボーカルとウクレレ演奏からは想像し難いかもしれないが、かなり芯の強い音楽をする。

・佐野広明

PCゲームの音楽を作る人。
ボーカルよりもインスト、つまりプロのBGM屋さん。
ロマンチストの、さらに男でないと解らないであろう(
)という構成。
1つの確定している結末へ誘うための、他のあらゆる音の演出がたまらなく、憎いほど美しい。

・折戸伸治

同じくPCゲームの音楽屋。
「key」の音楽を担当する1人でもある。
同じ「key」の戸越まごめや麻枝准ほどのアクはないが、
様々な武器を持つ、下世話な言い方をすると、使い勝手のいい人。

・古内東子

牧場主の中の歌姫。
上野洋子と、中森明菜、古内東子。
この3人以外を「歌姫」と表する事はしばらくないはず。
ボーカリストとしてもリリストとしても素晴らしく、この人も一生ついていく。

・サニサイ(旧サニーサイドアップ)

京都発のインディーズ・バンド。
もうそろそろメジャー・デビューという気がしなくもない。
男性2人+女性1人構成も、その3人が様々な仕事をこなすために世界観は広い。

今後増えるかも。